2010年08月31日

空飛ぶ青い猫 第六話 (眠るキッキ)11 12

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雨がしきりに降る中、ヤーダ君につかまったチイ君とハナちゃんとクーちゃんはキッキちゃんとヤナギ君の待つ思案の森の上までやってきました。
その下でキッキちゃんとヤナギ君が手を振って待っていてくれたのでした。
「キッキちゃん、目が覚めたのね」
ヤーダ君はうれしそうに声をかけました。
ヤナギ君が自慢そうにいいました。
「うん、ボクがね、一生懸命に話をしたんだよ。昔ね、ボクがキッキちゃんと空を飛んだこととか」
そうなのです。
キッキちゃんはヤナギ君がひとりで話かけてくれて居た時、いきなり返事をしたのでした。
「ヤナギ君、大きくなったんだね〜立派になったね」
キッキちゃんはちゃんと記憶は戻っていたのです。
子猫の危機に眠っていたキッキちゃんの記憶とエネルギーが戻ってきたのです。
「そうか〜やっぱり、キッキちゃんは、あの時はすべて分かっていたんだね、でも、身体がまだ目覚めていなかったのでハートを飛ばしたのね」
「でも・・・普通の猫になっちゃうのですか」
ヤナギ君はキッキちゃんの顔を覗きこみながらたずねました。
ヤーダ君もそこが不安なのです。
あとは、キッキちゃんが思うようにすれば良いと思っています。
普通の猫として生きても、きっと幸せになれるだろうと思うからです。
「こんにちは。チイ君とクーちゃんとハナちゃんでしたよね。私はキッキです」
そういってキッキちゃんは、三人に手をさしだしました。
「本当にありがとう、子猫たちはあなたたちのお陰で助かったのよ」
「いえいえ、キッキちゃんのハートがこなかったら・・」
「いえいえ、ヤーダ君とヤナギ君が、あそこにきてくれなかったら・・」
「いえいえ・・」
「あははは・・・」
みんなは声をだして笑いだしました。



  
最終回


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「ありがとう、私は・・・やっぱり普通の猫には戻れない。まだまだ不幸な子たちがいるから・・」
「そうだね〜無理だよね・・キッキちゃんは普通の猫にはなれないよね」
ヤーダ君は複雑な顔をしながらみんなを見渡しました。
「アルプスのおじいさんにハートが入ったカバンを取り上げられたの・・だから、頭のハートしか使えなかったの」
「キッキちゃんのピンクのハートは?」
「大丈夫よ、もうすぐ戻ってくるよ。あの子たちが無事だったらね」
雨と風はおさまり、空は薄暗くなってきました。
そして、ピンクのハートもちゃんとキッキちゃんの頭に戻ってきたのです。
「ヤーダ君、ありがとう、みんなをちゃんとお家に送ってくれるかな〜わたしは、アルプスまで行かなきゃ〜」
そうなのです。
キッキちゃんにとってハートが入ったカバンがないととても困るのです。
「ああ、わかったよ。気をつけてね」
「キッキちゃん、ありがとう〜また会えますか〜?」
クーちゃんはキッキちゃんの手をしっかり握りました。
「みなさん、本当にありがとう、ヤナギ君、起こしにきてくれてありがとうね。」
そういうとキッキちゃんは空にあがっていきました。
「キッキちゃ〜ん、またね〜・・・・・・?・・・・?」
ヤナギ君は手を振りながらそらの向こうに・・・・・・?
「あれ・・・ジョーおじさんが・・・・そんなわけないか〜目が変です」
キッキちゃんが飛び立った向こうに、ジョーおじさんがハートの入ったカバンをもって浮かんでいたようにもみえます。


   おわり


新作を作りました。
羊毛フェルトと木工のコラボです。
よかったら「ムクムクのひなたぼっこ」を覗いてみてね。

wannko.jpg
posted by ムクムク at 16:25| Comment(9) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月24日

空飛ぶ青い猫 第六話(眠るキッキ編)910

    9

ピンクのハート.jpg



西のそらはどんよりネズミ色に変化してきました。
ときより強い風がクーちゃんとハナちゃんの不安をいっそう強くするのでした。
小さな命は弱弱しく、鼓動の音さえきこえないようになってきました。
「クーねえちゃん、もう間に合わないよね・・・」
「ハナちゃん、大丈夫だって・・もうすぐなんだからね」
そうはいっても、クーちゃん自身、どうしてよいのかわかりません。
風の音が子猫たちの鼓動の音を消しているのだろうか。
消えてしまいそうな小さな命を抱きしめながらハナちゃんは大声で泣き出したい気持ちを抑えています。
泣いてしまうと本当に消えてしまうように思えるからです。
「ハナちゃん、みて!子猫が・・・・」
「あああぁぁ〜クーねえちゃん・・天国からお迎えがきちゃったよ〜」
どうしたことでしょう。子猫たちはいきなりピンク色に染まりだしたのです。
そのピンクの光は子猫を包み込みました。
暖かな、柔らかい光につつまれた子猫は大きな鼓動を打ち始めました。
ドックン、ドックンと音をたてはじめたのです。
そして子猫たちは目を開けたのでした。
「クーおねえちゃ〜ん、ハナおねちゃ〜ん、ただいま〜!」
空から、ヤーダ君とチイ君が帰ってきたのです。
「もう、大丈夫です。この子たちはキッキちゃんのピンクのハートが助けてくれましたよ。」
「そうなんだ、キッキちゃんのハートが空を飛んだんだよ」
そうは言われてもなんのことだかクーちゃんもハナちゃんも分かりません。
でも、子猫たちは助かったってことは理解できました。
キッキちゃんのエネルギーがハートに送られているのです。
「やはり・・キッキちゃんは眠っていてもキッキちゃんなんだ・・」
「ヤーダ君、なにか言った?」
「ううん、独り言さ」
ヤーダ君は複雑な気持ちです。
普通の猫になって幸せな日々を送ってほしい・・いや、やっぱりキッキちゃんはキッキちゃんとして生きたほうが幸せなんだろうか?
そんな事を考えているヤーダ君の目の前にピンクの光は一段と強くなり、子猫を抱き上げ浮かびだしました。


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ピンクの光は浮かんで動きだしました。
みんなはその後について行きました。
子猫を包んだままピンクの光は一軒の家の玄関前でとまりました。

「さあ、みんな〜あの茂みに隠れよう」
ヤーダ君はそういって向いの家の茂みにみんなを隠しました。
しかし・・・なにも起こりません。
しばらくして車の音がしました。
お姉さんがくるまから降りてきました。
「まあぁ〜光ってる。まるでかぐや姫だわ、なんてかわいい子たちなの〜」
お姉さんはなにやらいいながら、その家の玄関で出てきた人と話をしています。
「そりゃ〜こんなかわいい子を捨てることなんて出来ませんよ〜ええ、きっと、大丈夫です・・」
お姉さんはにこにこしながら、その家から子猫をだっこして、車に乗り込みました。
そのとたん、大きな音を立て雨がふりだしました。
「わあ〜、お姉さんが連れて帰ってくれた〜!」
チイ君は飛び上がって喜びました。
「ほんとに・・もう少しおくれたら雨の中、子猫は・・危機一髪だったよね」
「キッキちゃんがエネルギーを送ってくれていたのだと思いますよ」
ハナちゃんは今まで我慢していた涙を雨に負けないぐらい出しました。
でも、顔は笑っていました。
「ボクはキッキちゃんのところに戻ります。また、いつか会えると思いますよ」
「ヤーダ君、ボクも行く!」
「あの〜、私たちも連れてくださいよ。」
クーちゃんも、ハナちゃんもキッキちゃんに会いたいと思いました。
「よ〜し、みんなで行くか〜ヤナギ君もまってるからね」


 つづく


その後、子猫は


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かわいく、やんちゃに成長してましたよ。
ひとりは「そらんちゃん」と名づけられ、もうひとりもちゃんと里親がみつかり
今は幸せですよ〜
posted by ムクムク at 16:13| Comment(4) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月17日

空飛ぶ青い猫 第六話 (眠るキッキ編)7.8

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ヤーダ君の手につながったチイ君とヤナギ君はその誰もが近づかないという「思案の森」むかっていました。
ヤーダ君はアルプスのおじいさんからキッキちゃんが眠っている事を知らされてはいましたが、今どういう状態なのかは知りません。
アルプスのおじいさんは言いました。
「キッキを普通の猫として生活させたい、もう〜十分働いたからね。それに、どんどん疲れを溜め込んでいるのも心配なのさ、だから、記憶もなくなるようにしてあるからね」
アルプスのおじいさんはそのように言っていたから、このまま、記憶が戻らなく、そして普通の猫をして生活していけたらそれはそれでいいのかも知れません。
今、助けなくてはならない子猫がいるのですが、ヤーダ君は複雑な気持ちです。
でも、そろそろ眠りから覚めなくてはならない時期でもあるのです。
このまま眠り続けるのも、キッキちゃんには良くないことなのです。
だから、ヤーダ君はヤナギ君と一緒に起こしには来たのですが・・
「ヤーダおにいちゃん、ほら、あそこをみて!」
ヤナギ君はピンクのハートを見つけました。
うっそうと茂った木々の中にぽつんと空間があり、そこにピンクのハートがかすかに光っていました。
「早く、早く、降りようよ〜キッキちゃんだ!」
ヤナギ君とチイ君は空がどんどん暗く曇ってくるのをみながらヤーダ君を急かしました。

「キッキちゃん、そろそろ起きようか、ね、キッキちゃん」
ヤーダ君はキッキちゃんの手をしっかり握りました。
反応はありません。
「キッキちゃん、大変なんだよ、子猫がね、早くしないと死んでしまうよ〜。起きて!そしてなんとかしてよ〜!ボク、ボクだよ、ほらあのヤナギですよ」
ヤナギ君はキッキちゃんの身体をゆすりながら言いました。
「ヤナギ君、今さら言うのもなんだけど、もしかしたらキッキちゃんはヤナギ君の事を覚えてないかも知れない、それに・・・もう空を飛べないかも知れない」
「えっ、なぜ?どうして、どうしてそんな事を言うの?」
「あの〜じゃ〜子猫はどうなるんですか?ヤナギ君は大丈夫って言ったよね」
チイ君は不安そうな顔でヤナギ君をみました。


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その時、かすかにピンクのハートは光ました。
ゆるやかな鼓動が聞こえるように柔らかな光を発したような気がします。
そして、どんどん光は強くなってきました。
「キッキちゃん、目が覚めてきたんだね。ヤーダですよ。」
しばらく三人はそんなキッキちゃんの様子を見守っていました。
でも、キッキちゃんは目を覚ましません。
「キッキちゃん、聞こえてるかな?このまま眠り続けていると、もう〜それこそ眠り姫のままだよ、どちらにしても目を覚ましてね」
「キッキちゃん、お願い、ボクのお願いを聞いて!あの子猫を助けて!そうしたらボクもここで眠ったままになってもいいよ・・・
ヤーダお兄ちゃん、そうなったら、ジョーおじさんに言ってね、ボクは子猫を助け、眠り王子になったって」
ヤナギ君はなぜ、こんなに悲しいのかはわかりません。
悲しくって、悲しくって涙が出てくるのです。
キッキちゃんが、あの勇ましく颯爽とした姿でないことにか、それとも、子猫の事を思ってか、そんなことはわかりません、ただ悲しいのです。
ポロポロと涙がこぼれます。
そして、大声で泣き出してしまいました。
そんなヤナギ君をみて、チイ君も泣き出しました。
思案の森の向こうで待っているお姉ちゃんたちと子猫の事を思い、そして初めてみたキッキちゃんがすごく神秘的だったからかも知れません。
ヤーダ君は困ってしまいました。
なんとか、あの子猫を助けてはあげたいのだけれど、ヤーダ君にはキッキちゃんのような力はないのです。
「ハート」を使えるのはキッキちゃんだけなのです。
そして、今キッキちゃんを起こし、記憶が戻ってしまうと・・・もう、普通の猫になり、穏やかな生活は出来ないだろう・・アルプスのおじいさんは・・・
「ヤーダお兄ちゃん、キッキちゃんのピンクのハートがまた光った!こんどはすごく光っているよ」
そうなのです。
ハートはマックスな光を発しだしました。
キッキちゃんは眠ってはいるのですが、手が動きだしました。
その手はキッキちゃんの頭のハートを掴み、そしてそ〜っと頭から放しました。
そして、ハートはゆっくりとキッキちゃんから離れ、上に上にと昇っていくのでした。
「キッキちゃん、そういうことか!わかったよ。ボクにそうしろってことなんだね」
ヤーダ君はそういうと空飛ぶ風船の木をもちました。
「チイ君、さあ〜、行くよ!このハートの後を追いかけるよ。ヤナギ君、キッキちゃんを頼むよ。大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。ボクはキッキちゃんを守っているからね、チイ君、頼んだよ」
ヤーダ君とチイ君はピンクのハートを追いかけて空に舞い上がっていきました。


  つづく
posted by ムクムク at 14:46| Comment(4) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月08日

空飛ぶ青い猫 第六話 (眠るキッキ編)5 6

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五.jpg



もうすぐ夜があけます。
この小さな赤ちゃんをどうすればよいか分かりません。
とぼとぼ歩くのですが、良い案は浮かんではきません。

朝焼けの空の向こうからなにかが飛んでやってきました。
どんどん、近づいてきます。

風船につかまったふたりの猫です。
「な、なに?空から猫が・・」
呆然と見上げるクーちゃんに向かって、その猫は話かけてきました。
「こんばんは、(思案の森)に行きたいのですが・・知りませんか」
「誰、いきなり・・だれなの、君は。まず、名前を名乗るものよ」
そこは、長女のクーちゃんです。
そんな得体の知れないものに対しては毅然とした態度をとるのです。
「ああ、ごめんなさい、ボクはヤーダっていいます、そしてヤナギ君です。
ボクたちは(思案の森)を探しているのですが・・・知りませんか?・・で、
どうしたのですか?すっごく困った顔してるよね」
「私は長女のクー、そして、次女のハナ、それに、そのヤナギ君かな・・ヤナギ君にそっくりなのが
末っ子のチイですよ・・ヤーダさん、ヤナギ君、今はその思案の森どころではないの」
ヤーダ君とヤナギ君が覗きこむと、小さな赤ちゃんは小さな声で泣いていました。
「どんどん、声が小さくなって・・・」
「なんとかしないと・・タイムリミットが・・・」
ヤナギ君はその小さな赤ちゃんを不安そうにみつめました。
「ボクにはどうしたら良いかはわからない・・でも、助けることは
できる・・・キッキちゃんなら・・助けてくれる」
そうは言っても、キッキちゃんを探し出す事が出来ていないヤナギ君は
大丈夫とは言えないのです。
兄弟のようにそっくりなチイ君とヤナギちゃんはお互いの顔を見つめ合い
ました。
「ヤナギ君、そのキッキちゃんならって・・誰なの」
「キッキちゃんなら、きっと、なんとかしてくれるの・・でも、思案の森で眠ったままなの」
「クーねえちゃん、知ってる?思案の森って」
「たぶん、だれも入ってはいけないって言われてる森だと思うよ」
「精が宿っているから、普通の者は近づかない・・らしいい」
「よし、ヤナギ君、ボクと行こう!その思案の森のキッキちゃんのところに」
「えっ、ほんと!チイ兄君も行ってくれるの」
「早く、時間がないんだ」
「チイ、急ぐのよ、この後、嵐が来そうだからね。それまで、なんとか私
たちが抱っこして、このちびちゃんを温めているからね。いそいで!」
チイ君はヤーダ君、ヤナギ君を「思案の森」に案内することにしました。
ヤーダ君の手に二人はぶらさがり朝焼けの空に舞い上がっていきました。



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さんにんの姿は空の向こうに消えてしまいました。
残された、クーちゃんとハナちゃんはこの赤ちゃん猫が少しでも元気になって
くれるように祈るしかありません。
「なんにも食べてないのかしら」
ハナちゃんは不安で、涙がこぼれだしました。
「ハナ、そんな、あなたが泣いちゃ〜ダメでしょ〜、泣きたいのはこの子たちですよ」
小さな命は生きようと必死です。
うっすらと目を開けて、クーちゃんとハナちゃんをみました。
「大丈夫だからね」
クーちゃんは言いながら優しく赤ちゃんの背中をなぜてあげました。
そんなことしか出来ないのです。
このあかちゃんにミルクを与えることはできません。
せめて、人間なら出来るかもしれません。
でも、誰も、この赤ちゃんに気が付かなかったら、きっとすぐに死んでしまうかも
しれないのです。
柔らかな体はミルクがなければ硬くなってしまうのです。
「ね〜クーねえちゃん、今から連れて帰ろうか〜?」
「たぶん、無理だわ・・ここから家までは相当あるし、ダッコして私たちが歩いても
この子の命が持ってはくれないと思う」
「じゃ、どこかの家を探して、家の前に置いておくってのは・・誰かが赤ちゃんを見つけて
ミルクをやってくれるかも」
「あのね、みてごらん、西の空を、しばらくしたら嵐がきそうよ、そんな中、置いておくの?
見つけてくれるかどうか分からないのに」
「そうよね・・そんな賭けはできないよね」
「あのヤーダ君、ヤナギ君を信じましょよ。それまでしっかり赤ちゃんをまもるのよ」
「うん、わかった。クーねえちゃん、私きっと守りきるからね」
「ふふっ、えらいよ!ハナ、嵐が来る前に雨や風に当たらないところに行こうね」
ふたりは小さな命をダッコして歩きだしました。



  つづく
posted by ムクムク at 21:42| Comment(3) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月05日

空飛ぶ青い猫 第六話 (眠るキッキ編) 3 4 

    3

いってきます.jpg



ヤナギ君は決心しました。
ボクが助けに行かなければ・・
ジョーおじさんから色々な情報を聞き出しました。
眠くてしかたのないジョーおじさんからの情報を聞き出すのに
苦労しました。
わかった事は
たぶん、南のほうに居る。九州かもしれない?
そして、眠っている・・
誰かが行って起こさないとダメなのかも知れない・・・
そんなことしか分かりません。

ヤナギ君はどうしたら助けられるのか、考えてみました。
良い案は浮かびません。
でも、ここでじっとしている事はできません。

その晩、そっと家から出て行く決心をしたのです。
ジョーおじさんに相談しました。
どうして家からでればよいのか・・・
「なんだ、そんなことか〜じゃ〜しょうがないから教えて
あげようか〜。庭に面した窓を開けてあげるよ」
そうなんです。ジョーおじさんにしか窓の鍵を開けることは
できないのです。
「こんなの朝飯前さ」
「え〜っ、ジョーおじさん・・朝ご飯はまだなの?
もう〜夜だよ。かぁちゃんに言ってご飯を作ってもらおうよ」
「??ご飯は食べた!だからご飯はいい!」
「だって・・・朝飯前だって・・」
ジョーおじさんは窓の鍵を上手に空けてくれました。
「みんなには内緒だよ、でないと・・みんな開けてくれって
うるさいからな」
ヤナギ君はジョーおじさんにお願いしました。
「きっと帰ってくるからね、だからうまく誤魔化しておいてね」
「ああ、まかしておけ、キッキちゃんの事たのんだよ」
ヤナギ君は夜の街に飛び出していきました。



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キッキであい.jpg

「クーおねえちゃん、ほら、なにか・・かなしそうな声が」
「しぃ〜!」
どこからか、悲しそうな泣き声がします。
チイ君とクーちゃん、そしてハナちゃんには聞こえます。
さんにんは声のする方に向かって歩きだしました。
「ほら、あそこ!」
路の脇で小さな生き物が泣いています。
「これって・・猫?」
「たぶん、生まれたばかり・・・?」
「ハナちゃん、どう思う?
「モグラかもしれんよ」
「モグラなわけないでしょ〜、ミ〜ミ〜って泣いてるし・・」
「でも、小さい!」
「チイちゃん、あんた男でしょ〜ちょっと走って、この子
たちのお母さんがいないか探してきて」
「ああ、わかった」
さんにんは、大騒動です。
生まれてまだ間もない小さな赤ちゃんが泣いていたのです。
「このままでは、死んでしまうよ〜」
「クーちゃん、おっぱい出ない?」
「なにいってるの、あなたこそ、出ないの?」
「とにかく抱っこしてあげて・・・ハナちゃん、しっかり抱っこ
っするのよ」
そこにチイ君が帰ってきました。
青い顔で、言葉もなく座りこんでしまいました。
「チイちゃん、どうしたの?お母さんはいたの?」
クーちゃんはたたみかけてるように尋ねました。
「・・・・・・」
「もう〜だらしないねーハナちゃん、見てきて!
私が赤ちゃんを抱っこしとくから」
「・・・行くなら僕が案内するよ」
「案内?どこに・・」
「だからさ〜、お母さんが居る場所に」
「お母さん、居たのね!良かったじゃない」
「居たよ・・向こう路で・・・息してなかった」
クーちゃんとハナちゃんは顔を見合わせました。
しばらく、誰も、言葉が出ません。
「よ〜し、わかった。行くよ〜」
「どこに」
「決まってるじゃない、お母さんをちゃんと埋めてあげないと」
「そうか〜、こんな時はやっぱりクーねえちゃんだね」
さんにんは赤ちゃんを連れて歩きだしました。





  つづく
posted by ムクムク at 22:50| Comment(7) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月02日

空飛ぶ青い猫 第六話 眠るキッキ編 1・2

       1

夢のなか.jpg



キッキちゃんは眠っています。
ず〜っと眠っているんです。
時々、目をさますのですが、なにも覚えていないのです。
キッキちゃんの記憶はどこかにいってしまってます。

たくさんのエネルギーを使い、アルプスのおじいさんから
の約束以上のことをしてしまったからなんでしょうか。
それとも、アルプスのおじいさんはキッキちゃんを少し
だけゆっくりと休ませてあげようと思っているのでしょうか。

キッキちゃんは時々夢をみます。
小さかった頃の夢です。
まだ、「空を飛ぶ風船の木」の使い方も知らない頃の夢です。
夢の中ではお母さんやお父さんがいるのです。
青い猫として生まれてきて、青い猫族の跡取りとして
育てられたキッキちゃんの幼い頃の夢です。
今はアルプスのおじいさんとキッキちゃんだけしか「青い猫族」
は居なくなってしまいました。
でも、キッキちゃんには多くの仲間がいます。
一緒に戦ってくれたヤーダ君やカタツムリのタケさん。
そして、一緒にいろんなことを解決した仲間。

キッキちゃん。仲間が待ってるよ〜目を覚まして。



      2

眠り姫1.jpg




ジョーおじさんは、さっきから一人でぶつぶつ言ってます。
なにか考え事でもあるのか・・・
しかし、残念なことにジョーおじさんが一生懸命に考えごとを
していても・・・黄昏ているようにしかみえません。
「う〜〜ん、心配・・だ・・・う〜〜〜ん」
よ〜く聞いてみると心配しているようなのです。
「いやいや・・・心配だ・・・しかし・・・眠いし・・・
うう〜〜ん、どうしたものかな・・」
そんなジョーおじさんをからかいにヤナギ君がやってきました。
「どうしたの〜?眠たけりゃ〜寝れば!」
「いやいや、寝てもおられんのじゃ、・・心配なんだ・・」
「じゃ、ボクに言えば、聞いてあげるよ」
「おおっそうだ。ヤナギはしっとったよな、ほれ、キッキちゃんを」
「わぁっキッキねえちゃん?ボクしってる!で、どうしたの?」
「そのキッキちゃんだが・・寝たままなのさ、そう、寝たままで・・
そう、寝たまま・・心配なんだ」
「何回も言わなくてもわかるよ。寝たままなんでしょ〜?どうして?」
「だから心配なのじゃ、キッキちゃんのことが」
「でも、どうして・・ジョーおじさんは知ってるの?そんなことを」
「ばかもん!ジョーだぜ。わかるか〜?こんなけ長く猫をやっていると
そんなこともわかるようになるんだよ。長生きするって大変なんだぜ・・」
「うん、なぜ、大変で、キッキちゃんの事がわかるのか・・知らないけど
とにかく、そうなんだよね」
ジョーおじさんはヤナギ君に話しながら、うっつらうっつらとしてきました。
いいえ、ねているのでは有りません。
眠ったふりしながら考えているのです。

ヤナギ君はある決心をすることにしました。


   つづく





こんな写真を送っていただきました♪


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keitai1.jpg


この間、ムクムクのひなたぼっこから「携帯たて」をお買い上げ
いただいた H・Y様よりです。
「仕事場でこんな風に使ってますよ〜」って嬉しいメールをいただきました。
ステキですよね〜!
こんな風にステキにご使用いただけて本当に嬉しいです。
自分の作った物を楽しくつかっていただけて・・めちゃ、幸せな気分♪

H・Y様、ありがとうございました〜

posted by ムクムク at 13:18| Comment(8) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月12日

キッキちゃんだ

きっき4.jpg


キッキちゃんはそろそろ出かけてみようかなって
思っています。
雪もようやく溶け春の音がしっかり聞こえてきてような気がしました。


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ひさしぶりの陽射しがまぶしいです。


きっき1.jpg


しっかりとハートをみんなに届ける仕事があるんです。
キッキちゃんは今から空にとびたたなくてはね。


きっき2.jpg


少し行ったところで
二匹の猫がいるのを見つけました。


kiltuki.jpg

「キッキちゃんだ〜ぼく知ってるんでしゅよー」
「ぼくだって知ってるよ」

キッキちゃんは声をかけました。
「ここでなにしてるに?」


kiltuki1.jpg

「僕たち・・春をさがしにきたの・・
キッキちゃんは春はどの方向からくるのか知っているの?」


「そうなんだ〜
心配しなくても、もうそこまで来ているよ・・・
君たちは・・困ったことはないの?」

「大丈夫ですよ〜
春がくれば・・・楽しいから、それだけでいいの」

きっき3.jpg


「そうだね!
ほら、みてごらん・・春の風が・・走ってくるよ」

キッキちゃんはその後、空に高く高く飛んでいきました。

きっと、みんなのところに幸せのハートをいっぱい届けるとおもいますよ。


羊毛フエルトでキッキちゃん、にゃんこを作ってみました。
無理やり
お話にしちゃいました(笑)
posted by ムクムク at 11:25| Comment(10) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月02日

空飛ぶ青い猫 五話(夢編) 10

サスケくん.jpg


朝、寝室からママの鼻歌が聞こえてきました。
みかんちゃんとこてつちゃんは顔を見合わせました。
夕べ、サスケちゃんがキッキちゃんとヤーダ君と一緒に消えてしまい、
家が虹色に染まり、家の中からサスケちゃんが三日間居た形跡はすべて消えてしまっているのです。
あの、ママが買ってきたばかりのサスケちゃんのベッドも・・サスケちゃんの毛玉も、食事用の器も消えているのです。
これを見たときのママを思うと気が気ではないふたりなんです。
「おはよう〜みかんちゃん、こてつちゃん〜」
ご機嫌なママはみかんちゃんの頭をなでなでしながらニコニコしていいます。
「みかんちゃん、あのね、サスケちゃんが帰って来ていたのよ、ううん夢の中でね、みかんちゃんも会えれば良かったのにね〜・・不思議な事にね、おとんも同じ夢を見たみたいなのよ。すごいでしょう!それにいっぱい抱っこしちゃったのよ。元気な顔して笑っていたの、おとんも抱っこしたんだって。」
みかんちゃんはミヤァ〜って返事を返してあげました。
「みかんちゃんと一緒にいっぱいあそんでいる夢だったのよ、それにこてつちゃんも仲間に入って・・そりゃ楽しそうだったんだから。いつも夢でもいいから帰っておいでって思っていたので、帰って来てくれたのよ〜今日は気分がいいわ〜みかんちゃんやこてつちゃんには悪いけど、ママたちだけがステキな夢みちゃって」
そう言いながらママは台所に入っていきました。
「こてつちゃん良かったね」
「うん、ママはご機嫌だよね」
台所からママが叫んでいました。
「わぁぁ〜サスケちゃんの声がしたよ〜ほんとだよ〜ママ、ありがとうぅて言ったよ〜」
「ママ、夢の続きを見てるんかい」
「ははは、そうかもしれないん〜」
おとんとママはそんな事をいいながらキャッキャッっと笑っていました。



      おわり



  あとがき

サスケちゃんはまた虹の橋の向こうに帰っていきました。
残されたみかんちゃんやこてつちゃんはママの愛情をいっぱいもらって今日も元気に過ごしています。
ふたりだけの秘密を大切にしながらね。

posted by ムクムク at 14:37| Comment(8) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月31日

空飛ぶ青い猫 五話(夢編)8 9

はしゃいで.jpg

今日でみんなとお別れなのです。
でも、さんにんは思いっきりはじけています。
もう三人で遊ぶ事もないでしょう、そう思うと悲しんでなんかいられません。
良い思い出を作るために、これでもかって感じのはしゃぎぶりなんです。
あまりの賑やかさにママは気になって部屋を覗いてみました。
本当にみんな仲良くはじけています。
「あらら・・なにがそんなに楽しいのかしら?サスケちゃん、新しいベッドを用意してますからね〜ちゃんとそこで寝んねするのよ〜みんなも
いいかげんにして寝んねしなさいよ〜」
マアの声は聞こえてはいるのですが、みんなは聞こえにふりをしました。
サスケちゃんはママの顔を振りかえってみました。
「聞こえているなら返事は〜もう〜はしゃぎすぎなんだから・・ママは先に寝ますよ。早く寝んねしなさいよ〜」
ママは嬉しくってしょうがありません。
こんなに楽しそうな子たちをみる事が出来て。
ママが部屋から出て行くと、急にサスケちゃんのテンションは下がってしまいました。
涙が不覚にも零れてしまったのです。
もう、限界です。はしゃいで自分を誤魔化していたのがポロポロと崩れてしまったのです。
みかんちゃんの瞳は涙が溢れて今にも零れそうです。
こてつちゃんはぐっと我慢をしています。
「ママがさ〜サスケちゃんのベッドをね、新しいのを用意したのだって・・」
「しょうがないのよ、もうサスケちゃんは行ってしまうのだから・・
ママ、泣くよね。ベッドに一度も寝んねしないで行っちゃうんだよね」
みかんちゃんは涙をこらえる事は出来ません。
二度もサスケちゃんとの別れをしないといけないのですから。



虹色.jpg


そんなさんにんのところに、キッキちゃんとヤーダ君がやって来ました。
ヤーダ君はぎりぎり間に合ったようです。
「サスケちゃん、そしてみかんちゃん、こてつちゃん、大切な話があるの、よ〜くきいてね」
「これはヤーダ君がアルプスから持って来てくれた虹色のハートなの、今からこの家を、この虹色のハートで染めてしまうの」
「どうして・・染めちゃうの?私やサスケちゃん、こてつちゃんも染まっちゃうのでっすか」
「いいえ、あなたたちは染まらないところに移動してもらうわ、そしてお家が虹色に染まったら、サスケちゃんは私たちと一緒にここから消えて行きます。サスケちゃん、分かってくれるわね」
「うん、楽しかったよ、幸せだったよ〜あとはママの事が気になるだけだよ」
「大丈夫だよ、キッキちゃんはママが泣いたりしないようにちゃんとやってくれるからね。安心していいよ」
「ありがとう、ぼくの我儘をきいてくれて」
「お礼は後よ。じゃ〜そろそろ始めましょうか・・時間がないから」
ヤーダ君はみんなをお家の外に連れ出しました。
「ヤ〜ダ〜君〜始めるよ〜」
キッキちゃんの声が聞こえると同時にママのお家が虹色に染まり出しました。
そして虹色は光輝くと小さくなり、す〜っと色が消えてゆきました。


  つづく
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2009年08月28日

空飛ぶ青い猫 五話(夢編)6 7

あるぷす.jpg

アルプスの山を望みながらヤーダ君は日本に向かった帰っているところです。
アルプスに居る、キッキちゃんのおじいさんから虹色のハートを預かって帰る途中なんです。
もう一日と半分が過ぎてしまいました。
大急ぎで帰らなくてはならないのです。
アルプスの山々にはもう秋の気配がしています。
ヤーダ君が受ける風は冷たくなってきています。
「ああぁ〜秋なんだ!ここはもう秋がきているのだな〜」
日本を出た時は照りつける太陽とセミの鳴き声に見送られたのに、さわやかな風がアルプスを駈けています。
「たぶん、この辺だろうなあ〜キッキちゃんが友達になったって言う、
お転婆姫のテイエタちゃん(二話 アルプス編)が住んでいるのは・・・ぼくも会ってみたかったなぁ〜」
そうなんですね。
この山の麓にはあのティエテちゃんが今日もお父さんとお母さんを下僕として元気に生活している所なんです。

そんなことを考えながらヤーダ君はアルプスの山を越えて、日本で待つキッキちゃんのところまでと急いでいます。



窓.jpg


もう二日目の夜がやって来ました。
サスケちゃんは思う存分、ママやおとんに甘えました。
みかんちゃんやこてつちゃんとも遊びました。
もう明日は帰らないといけないのです。
三人は窓から星を眺めながら明日はお別れなのだとそれぞれも思いを内に秘めています。
そんなとき、キッキちゃんが窓の外にある木の枝に降りてきたのです。
「サスケちゃん、楽しんだ?」
「あ〜!キッキちゃん、ぼく幸せだったよ、みんなに会えて、ママにも抱っこしてもらったし」
「良かったね。明日はお別れなのね・・」
「うん、ありがとう!これでもう本当に世界一の幸せ猫になれたよ」
「そうだよね、あとはママがサスケちゃんがいきなり来て、そして消えてしまった事のショックを和らげる事がサスケちゃんの希望だったよね〜」
「あの〜ぼく、こてつって言うのですが・・じゃー、じゃーサスケお兄ちゃんが帰らないでここに居ればいいですよね」
「こてつちゃん、これは決まり事なの、決まり事を破ると、今度は誰も帰ってこれなくなるのよ。それにね、もしサスケちゃんが帰るの嫌だって言ったらね、みかんちゃんかこてつちゃんが変わりに帰らないとダメなんですよ。みんなの為にもこの決まり事は守らないと・・・」
「そうなんだよ。だから、今回ぼくも帰ってこれたのだよ〜今度はぼくの姿ではないサスケが帰って来て、みんな事の見にくるよ」
「そんなんですか・・・・」
サスケちゃん、偉いね。
あと一日となってしまったけど、思う存分楽しんでね。


  つづく
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2009年08月25日

空飛ぶ青い猫 五話(夢編) 5

握手.jpg


そのころ、ママはサスケちゃんをみかんちゃんとこてつちゃんに紹介していました。
みかんちゃんにはこの子がサスケちゃんだと分かっていました。
「あのね、みかんちゃんサスケちゃんに似たサスケちゃんなのよ、う〜んぜったいサスケちゃんなの・・良かったよね〜久し振りに会えて・・
それから、この子はこてつちゃんなのよ」
ママのそんな紹介は必要がありませんでした。
猫たち同士でもう紹介が始まっていました。
「あの〜こてつ、これがあの噂のさすけちゃん、どうしてここに居るのかはよ〜く聞いてみないと分からないけどね・・」
「ぼく、こてつで〜す。サスケ兄ちゃんなんですか〜」
サスケちゃんとこてつちゃんはしっかりと握手をしました。
それから、みかんちゃんに今までのいきさつを話ました。
「そうなのか〜じゃ〜ママとは又お別れするの?」
「うん、それが決まり事なんだ、でも、ママに会えただけで、ぼくは嬉しいの、それに、みかんちゃんやこてつちゃんにも会えたし・・ね」
「私だって嬉しいけど・・ママ、ぜったいに泣くよ〜やっとママは落ち着いてきたって思っていたのにね〜」
「ごめん、やっぱりぼくの考えが・・・」
「違うのよ、そう言うことを言っているのじゃ〜・・・」
しょぼんとしていまったサスケちゃんをみて
「だ、大丈夫ですよ、ぼくがいますから、きっとよい方法がありますよ〜だから・・みかんお姉ちゃんも心配しないで」
「だから、あんたはまだまだ子供なの!サスケちゃん、ママのことは考えてみるわ、ほんの少しだけの時間なんだから、ママにいっぱい甘えていっぱい楽しんでね」

キッキちゃんはこの子たちの話を聞いてました。
なんて優しいのだろう・・なんとかこの子たちが安心できるように・・
ヤーダ君が早く帰ってきてくれるように・・・
もう、一日が終わり、あと二日でサスケちゃんは帰ってしまうのです。


  つづく
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2009年08月21日

空飛ぶ青い猫 五話(夢編) 3  4

会えた.jpg


「そこにいるのは・・・サ  ス  ケ・・ちゃん?」
ママはお出かけから帰ってくると、玄関に一匹の猫がちょこんと座っているのです。
「まさか・・でも・・サスケちゃんよね・・あなたは誰?」
もう、ママの頭の中はパニックです。
「おいで・・抱っこしてあげよね」
その猫はオズオズとママの前までやってきました。
ママがその子を抱き上げました。
「じゃーお家にある位牌は誰のなの?・・・あなたは誰なの」
分けのわからない言葉を発しながらぎゅっと抱きしめました。
「ああぁ〜やっぱりサスケちゃんだ」

サスケちゃんはママに抱っこされうっとりしてます。
「ああーママの匂いだ。ぼくは帰ってきたのだ・・」
ママはサスケちゃんを抱っこしながら独り言をいいながらお家の中に入っていきました。
携帯電話を片手に、どこやら電話を始めました。
「おとん、サスケちゃんが帰ってきたよ〜」

「だから〜帰ってきたのよ・・・・うん・・ほんとだから」

「だから、ほんとなんだから、もう〜分かってないよね〜うん、うん
分かった、今写真をとって送るから・・うん・・そうじゃなくって、他人の空似だって・・・違います!」

ママはあわててサスケちゃんの写真をメールでおくりました。

しかし、ママは少し冷静になって・・考えました。
こんな事が有るわけないのだ、おとんの言う通り他人の空似なんだろう
しかし、この柄は、この鳴き声、この匂い、サスケちゃんそのものなんです。
「まあ〜いいか〜どちらにしても今抱っこしている子がいるのだもん。
サスケちゃんのそっくりさんでもいいわ。サスケちゃんの変わりに来てくれたのだものね」
サスケちゃんはそんな楽観的なママの事が大好きなのです。
「じゃ〜あなたの名前は・・サスケジュニアよ、いい名前でしょう、ここにず〜っと居ていいのよ。」
元気な時のサスケちゃんそのもの、辛く苦しかった表情のサスケちゃんじゃなく、やんちゃな元気な時のサスケちゃんがママの胸に抱かれていました。



そうだん.jpg


そのころ、キッキちゃんはヤーダ君と一緒にカタツムリのタケさんのところにいました。
セミしぐれの中、太陽はひまわりの花と競っています。
そんな中、深刻な顔をしたキッキちゃんはいました。

「うん、事情はわかったで〜、ようするにやな〜そのサスケゆう子のママが喜んでいるのに、また悲しい目に会うのをどうにかしたいんやろ」
タケさんはそう言いながらキッキちゃんの顔を覗きこみました。
「そうなんです。キッキちゃんに相談されたんですが・・こういう事はタケさんに相談するのが良いような・・それで・・」
ヤーダ君も困り顔でタケさんとキッキちゃんを代わる代わる見ました。
「たとえば・・ママの記憶を三日たったら消してしまうとか・・考えたのですが、それではサスケちゃんの気持ちが・・」
「せやな〜そんなんしたらサスケちゃんがわざわざ姿を変えずに帰ってきた意味がないわな〜」
「そうなんです・・だから・・なにか良い方法がないかと」
「あるで〜ええ方法が」
タケさんはその方法について話てくれました。
「そのためにはな〜ハートがたらんわ。アルプスのじいさんのところにある虹色なハートがいるんや、キッキちゃん、ひとっ走りしてくるか?
ヤーダ君でもええけど」
「ぼくが行って来ます、キッキちゃんはもし、ぼくが遅れた時の場合のためにサスケちゃんの近くにいて下さい」
「ありがとう・・そうするわ、もし三日までに帰ってこない場合はママの記憶を消すか、だまってサスケちゃんが消えるか・・考えてみます」
「ほな、急ぎや〜ぼくはもう帰るで〜夏はかなんのや、暑いのはかなんからなぁ、それにしても・・あんたら、ぼくが衣変えしたのに気いつけへんかったなぁ〜そんなんじゃ〜あかんで〜もっと注意深く生きないとな」
タケさんは笑いながらひまわりに花の中に消えて行きました。

  

  つづく
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2009年08月19日

空飛ぶ青い猫 五話(夢編)1 2

サスケちゃん@.jpg

今日もキッキちゃんは、空飛ぶ風船の木で真夏の空をとんでいます。
眩しい太陽がキッキちゃんを襲ってきます。
この間まで雨の日が多かったので、この太陽はキッキちゃんにとって懐かしいような気がします。
雨の間、空飛ぶ風船の木で空を飛んでいなかったのです。

暑いけれど夏の真っ盛りの空に飛び立って町並みを眺めて見るのは久しぶりの事なので、襲ってくる太陽もまた気持ちの良いものなのです。

「あれ〜、どうしたのかしら・・」
キッチちゃんは大きな木の下でなにやら思案顔の子を見つけました。
どう見ても、日陰で休んでいるようじゃないのです。
どこか調子が悪いのか、暑さにまいっているのかも知れません。
キッキちゃんは心配になって降りてみる事にしました。



どうしたの1.jpg


大きな木は涼しい日陰を与えてくれています。
少しだけ太陽が襲ってくるのを遮る事が出来そうです。
「ねぇ〜どうしたの?どこか調子が悪いのかしら・・」
「・・・う・・・べつに・・・」
「べつに・・って言ったって・・良さそうには見えないわよ・・」
「ほっておいてください・・ボクが・・考えが足らなかっただけ・・
なんですから」
キッキちゃんの心配をよそに、なにも話したがらないのです。
「じゃ〜ほっておこうかな?」
そう言ってキッキちゃんは立ち上がり「でも・・さ〜言ってみると案外いい方法が見つかるものよね」そう言いながらゆっくりと歩きだしました。
「あの〜いい方法・・見つかるかな〜」
「そりゃ〜教えてくれなきゃみつからないわよ〜」
「そうだよね・・あのね・・・ぼくね・」
キッキちゃんはだまって頷きました。
「ぼくね、虹の橋からやって来たんだ。三日間だけこの世界に帰れたの、誰でも、いい子にしていると三日間だけ帰れるんだよ。
ただね、自分の姿じゃなく他の猫の姿でね・・・どうしてかって・
・だって自分の姿で帰るとお家の人が喜んで・・びっくりして・・そして三日たったら消えちゃうのですよ・・また悲しい目に会わす事になるでしょう・・だから・・・ね・・ちがう姿で帰って大好きな人を見て安心して帰るの・・」
「そうなの〜じゃーあなたもこっそり見て帰るのね」
「うう〜ん、ぼくは自分の姿で帰りたいって言って無理をいって・・」
「はは〜ん、なるほどね・・帰りたいけど・・お家の人を喜ばして・・そして又、消えちゃう事に」
「そうなんです・・また・・ママを悲しませる事を思うと・・帰れない・・でも、会いたいの」
「分かったわ、大丈夫・・なんとかするわ、だから、帰っていいよ!」
「えっ、ほんとうに!・・でも、ママを悲しませないで・・」
「だから、まかせて!時間がないよ〜行っておいで

虹の橋からいつも誰かが三日間だけ帰ってきているのです。
知らない猫が貴方をじ〜っと見ていたら、ちょっと見かけて仲良くなったのに居なくなった猫がいたら・・きっと、貴方に会いにきた子なのですよ。


    つづく
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2009年07月17日

空飛ぶ青い猫 四話(田園編) 8 9

へび1.jpg

シロちゃんは、あまりお腹がすたので草むらの中にはいって虫などを探して食べたりしました。
初めて自分で獲物を捕まえたりしたのです。
夢中で虫を追いかけていたのですが・・
そのシロちゃんを狙っているものがいたのです。
おおきな口を開け赤い舌をチョロチョロだした蛇が狙いをシロちゃんに合わせているのでした。
なにも知らないシロちゃんに蛇が飛びかかろうとした時です。
蛇の大きく開いた口に緑のハートが飛びこんできたのです。
その時やっとシロちゃんは蛇の存在を知ったのです。
声も出ないで固まってしまっているシロちゃんの前にキッキちゃんが
降りてきたのです。
「シロちゃん、もう大丈夫よ。この緑のハートは戦いや欲望を押さえ
平和を与えるの・・だから蛇さんも退散していくわよ」
危機一髪のところをキッキちゃんに助けられたシロちゃんはそれでも声をだせないぐらい怖かったようです。
「シロちゃん、迎えにきたよ。さぁ帰ろうか?」
「どこにでしゅか?」
「ここはね、東京からすごくはなれているのよ」
「東京ってなんでしゅか?」
「今までシロちゃんが居たところ、そしてここは島根県なの」
「へぇ〜そうなんでしゅか、じゃぁ〜ぼくはしゅまねにいます」
「しゅまね、じゃなく島根なんだけどなぁ〜」
「そのしゅまねがいいですよ・・だから帰らないでしゅ」
「そっか〜これからどうするの?」
「う〜ん、わからないでしゅよ〜でもここがいいでしゅ」
「うん、わかったよ。じゃ、シロちゃんほら、あそこで野ら作業している人がいるよね。・・・あそこまで行ってごらん」
「あそこになにがあるのでしゅか・」
「いいことがあると思うよ」
そう言うとキッキちゃんは空に飛んで行ってしまいました。
「シロちゃ〜ん幸せになるんだよ〜」
シロちゃんはキッキちゃんに手を振りながらちょこちょこと走って行きました。


シロちゃん.jpg


シロちゃんは雨の音を子守歌にして寝ていました。
誰かが呼ぶ声で目

が覚めました。
なが〜い夢をみていたようです。
昔、ここに来るまでの夢でした。
かあさん、とうさんに可愛がってもらったいる今、忘れていた昔を思い出していました。
あの時、かあさんに抱っこしてもらえて本当によかったって思っているのでした。
「ぼくはこんなに幸せになれたのはかあさん、とうさんのお陰だ、東京のみんなも幸せになってるかな〜お譲ちゃんに、おじさんにお兄さん、お姉さん、みんな幸せになっているかしら・・」

雨がまた激しく振りだしました。
シロちゃんは窓から外をながめました。
来た時と同じ緑の海が雨で波打ってました。


  おわり




  あとがき

シロちゃんは今日も家の周りのパトロールに出かけています
時々夜遊びがすぎてマーかあさんに心配をかけていますよ。
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2009年07月15日

空飛ぶ青い猫 四話(田園編) 6 7

田園1.jpg


シロちゃんを乗せたトラックは何度か止まりました。がシロちゃんはどうしても怖くって飛び降りる事は出来ません。
沢山の車がいっぱいあるのです。
それに荷台からの高さを思うとシロちゃんはどうする事もできません。
そのうちにトラックはどんどん進んでいくのです。
箱の中から見る風景に変化が見えました。
今までは凄いスピードで走っていたのに、今度はガタガタ振動が多くなり周りに車も走っていません。
シロちゃんのピンクのハートが光っています。
「ぼくのハートがなにか言ってるの?」
するとピンクのハートが話しかけてきたのです。
「シロちゃん、私がついているから大丈夫よ、シロちゃんが気にいった場所で飛び降りてごらん、きっと迎えにいくからね」
キッキちゃんの声です。
シロちゃんは決めました。
緑の草原にダイビングすることに。

シロちゃんは草のクッションの中に飛び込みました。
草をかき分け見た風景は、なんと緑の海でした。
その海はさわさわっと風を受けて稲の苗が波打っています。
なんと広いのでしょう!
シロちゃんは初めて見る緑の海に引きこまれていきました。
「わあぁぁぁ〜い」
大きな声を出して叫んでみました。
風の音が返事をしてくれました。
「でも・・・ぼくおなかがすいたでしゅ・・」
そうなんです。ここにはボランティアのお姉さんはいないのです。
朝からなにも食べていないのです。
西の空は紅く染まってそして夕闇が訪れてくるのです。



ホタル.jpg

さっきまでの元気はどこかへ行ってしまいまた。
お腹がすいたし、喉も乾いている事に気がつくとシロちゃんの頭の中はその事でいっぱいになりました。
誰もいない、どんどん暗くなって行く、シロちゃんは淋しさと不安が襲ってくるのと戦っています。
緑の海はもう真っ暗で、電灯もなく月も出ていません。
不安を忘れる為にがむしゃらに歩きました。
行けども行けどもおい茂る草と田んぼしかないのです。
水を求めて田んぼに降りて行こうと草をかき分けた時。
そこには青い星が輝いていたのです。
空に舞い上がる青い星がシロちゃんを歓迎してくれたのです。
その星はダンスを始めました。
蛙が歌を歌い出しました
シロちゃんも青い星と一緒にダンスを始めました。
いっしょに飛びあがってみました。
もう楽しくってシロちゃんはお腹がすいている事も忘れダンスを続けました。


  つづく
posted by ムクムク at 23:31| Comment(3) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月14日

空飛ぶ青い猫 四話(田園編) 4 5

朝1.jpg

キッイちゃんが朝早くにシロちゃんの様子を見るために倉庫までやってくると・・居ないのです。
シロちゃんの姿はありません。
どうした事なんでしょう!夕べはここで寝るって言っていたはずなのに。
キッキちゃんはピンクのハートの信号を送り続けました。
しかし返事は帰って来ません。周りの騒音と飛び交う電波が邪魔をしているのかも知れません。
そんなとき、茶トラの青年猫が通りかかりました。
「なにか探してる?」
「ええ、ここで寝ているはずの子猫なんですが・・見ませんでした」
「ああ〜あいつかな?夕べこの中のダンボールの箱に潜りこんでたよ。それに・・今朝早くにトラックが来ていたからな〜ひょっとして、箱ごと運ばれたなんて」
「まさか・・そんな・・こと」
「はは、まさかね、そんなドジなやつは居ないよな〜」
そう言いながら茶トラの青年猫は行ってしまいました。
そう、まさか・・でも分かりません。すっごく疲れてたからぐっすり寝込んでいたのかも知れません。
キッキちゃんは空に舞い上がりました。
空の上から街を見下ろしますが・・シロちゃんを乗せたトラックはどこに行ったかは分からないのです。
あるだけのパワーでピンクのハートの信号を送り続けました。
空の上なら妨害が少なくって届くかも知れないからです。
少しの反応がありました。
それは西の方からの信号です。


ハコの中.jpg


そのころ、シロちゃんはダンボールの箱の中にいました。
気持ち良く寝ていたのですが・・あまりにの揺れと振動で目が覚めたのです。
箱から恐る恐る顔を出して見ると、どうやら車の荷台の上のようなんです。
すごい音を立てながら走っているのです。
何台もの車がゴーゴーと音を立て目の前を横ぎっていきます。
ド〜ンと音を立てバウンドします。風は息苦しいほどシロちゃんに襲ってきます。
「か〜ちゃん・・おがあちゃ〜ん」シロちゃんはとうとう泣きだしました。
でも車は止まってはくれません。
そしてここがどこかもシロちゃんには分かりません。
不安と諦めがシロちゃんの心いっぱいに広がってきます。
「ボクはどこに行くのでしゅか〜」
大声で叫んでも飲みこまれてしまいました。


  つづく
posted by ムクムク at 16:55| Comment(6) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月13日

空飛ぶ青い猫 四話(田園編) 3

ボクちゃん.jpg


キッキちゃんはボクちゃんの後を追いかけて公園のすみまで行くと
ボクちゃんはポツンとひとりぼっちでいました。
「どうしたの、淋しくなったかな?」
「ううん、ぜんぜんですよ、ボクは淋しくなんかないもんでしゅ」
「そうよね、大丈夫だよね。でもね、もし淋しくなったら困るからね、このピンクのハートの首輪をあげるね。これを付けているとね、幸せになれるのよ」
「へ〜、そうなんでしゅ?ボクにくれるんでしゅ?」
「似合っているわ!それからね、お名前はボクちゃんでは可笑しいからね、私が可愛い名前を付けてあげようね」
「ボクはボクちゃんではだめなんでしゅか?」
「ボクちゃんってのは男の子全部がボクちゃんなの、だから君だと分かる名前を付けようね」
「そっか〜ボクちゃんはボクの名前じゃないのでしゅか〜」
「そうよ、これからはシロちゃんって事にしまようね。でもこれも仮の名前だよ、新しいお母さんが付けてくれるかも知れないしね」
「うう〜むつかしいのでしゅ」

ボクちゃんはシロちゃんと言う名前をキッキちゃんに着けてもらいました。
「今晩はどこで寝るの」
「ボクね、いいところ知ってるの、あのね、あの建物の中ね、箱が沢山あってね、だから安心なの」
シロちゃんが教えてくれた場所は大きな倉庫です。
確かにあそこなら雨がふっても大丈夫そうです。
「シロちゃん、ひとり大丈夫?」
「うん、何回も行ったことがあるもん」
シロちゃんは自慢そうに言いました。
「じゃ、明日の朝に様子を見にくるから、ちゃんと寝んねするのよ」
「うん、今からあそこに行きましゅ」
キッキちゃんはシロちゃんの後ろ姿を見送りました。
まさか、シロちゃんが消えてしまうとは思わなかったのです。


  つづく
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2009年07月10日

空飛ぶ青い猫 四話 (田園編) 1 2

ゆうやけ2.jpg

キッキちゃんは夕焼けの空を空飛ぶ風船の木でとんでいます。
木々がかぶさるよに並んでいる公園が見えます。
街の中でそこだけがオアシスのように思える公園です。
キッキちゃんは降りてみました。

不安気な顔をした猫たちがそこにはいました。
小さい子猫もいるようです。
「あの〜どうかされましたか?」
少し歳老いた猫が悲しそうな顔で答えました。
「あのさ、この公園は明日には壊されるのさ」
「この公園ですか〜?どうして・・・そんな」
「ここに高速道路が通るらしいよ」
「じゃ〜どうなるのですか、みんなの寝るところが無くなってしまいますよ」
「そんな事を誰が心配してくれる?えっ、ボランティアのお兄さんやお姉さんぐらいさ」
また別の猫もいいました。
「今までは、そのお姉さんのお陰でなんとか生き延びれた・・子猫もなんにんかは里親が見つかり助けてもらった。まだ、ましな方さ」

家の無い猫はこの公園を住みかとして生活しているのです。
でも、壊されるとこの猫たちが生活する場所がなくなってしまいます。
今、ボランティアのお姉さんが一生懸命里親を探しているのですが・・思うようにいってないようなんです。
誰が悪いって分けじゃないのだけれど、いつも、決まって不幸になるのは弱い者なんです。

キッキちゃんは自分の力なさが悲しくなりました。

いきなり猫たちはいっせいに大きな樹の陰に走りだしました。
そうなんです。ボランティアのお姉さんが食べるものを運んで来てくれたのです。


子猫ちゃん.jpg


みんなが行ってしまった後に小さな子猫がふたり手を繋いでポツンと取り残されました。
キッキちゃんは子猫に話しかけようとした時に、お姉さんが子猫の元にやってきて食べ物を差し出しました。
「ごめんね、遅くなっちゃったわね。お譲ちゃんとボクちゃん、お食べね」
お姉さんはそう言いながら、ボクちゃんとよばれた子猫の頭をなぜながら「ボクちゃん、お別れね・・ごめんね、お家を見つけてあげる事が出来なくって・・でもね、お譲ちゃんのお家は見つけられたの」
お姉さんはボクちゃんを膝の上に乗せてまた話しかけました。
「みんなを助けたいの・・でもね、そうはいかないの、分かってくれるよね、ひとりだけでも助けたいの。ボクちゃんじゃなくてごめんね」
お姉さんの涙がボクちゃんの頭にポツンを落ちました。
子猫のボクちゃんはお姉さんに言いました。
「うん、わかってましゅ、だからお譲たんを幸せにしてくだしゃい、ボクはちゅよいから大丈夫なのでちゅよ」
ボクちゃんがそう言ってミャ〜ミャ〜って鳴いたのですがお姉さんに伝わったかどうかは分かりません。
「あんね、わたち、ボクちゃんと一緒がいいでちゅよ」
「だめでちゅ、お姉ちゃんと一緒にいくのでしゅね」
ボクちゃんはそう言いながら走って行ってしまいました。
ボランティアのお姉さんも辛いのです。
このふたり一緒にって思っていたのですが・・せめてひとりだけでも幸せになってほしかったのです。
キッキちゃんにもお姉さんの気持ちが良く分かります。
そして、きっとボクちゃんにも分かったのでしょうね。
キッキちゃんはボクちゃんの事が気になって追いかけました。


  つづく
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2009年07月03日

あとがき

  あとがき

ちびたちゃんは無事にお家に帰りましたよ
とーちゃんとかーちゃんにしかられたかどうかは・・・


やなぎちゃんはキッキちゃんにお家につれて帰ってもらいました。
大家族に迎えられましたよ。


ヤーダ君は今日も街中をパトロールしてますよ。
会ったら声をかけてくださいね。


カタツムリのタケさんは毎日勉強に忙しいようですよ。
物知りとして頑張るためにはね。


posted by ムクムク at 13:51| Comment(10) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

空飛ぶ青い猫 三話(night rainbow) 12 13 

タケさん.jpg


キッキちゃんは、たしかにカタツムリのタケさんの声を聞きました。
後、5分で虹の橋は架けられるのです。
キッキちゃんはピンクのハートの信号を使って話かけました。
「タケさん、今どこにいるの、どうして私たちがピンチだってわかったの?」
「あのな、じいさんからヤーダ君の青いハートをあずかってたんや、これが無いと帰る時こまるやろ、みんな使ってしまってるやろから持ってきたんやけど。ややこしい事になったみたいやな〜」
「じゃ、ヤーダ君には青いハートを届けたのですか」
「あ、そんな事より虹に飛び乗る準備せなあかんで〜」
ちびたちゃんはシャー坊からもらった花を握りしめました。
「ちびた、かえれるのですか」
「そうやで〜帰っておいで、特大の虹の橋を架けたったからな」
「タケさんはどうしてそんな事が出来るの?」
「キッキちゃん、なめたらあかんで〜カタツムリのタケにでけへんことはないんやな」
ふたりの目の前に本当に大きな虹の橋が架かりました。
「タケさん、ありがとう」
「僕はお先に帰るわな、ほな、さいなら」
ふたりはヤーダ君とやなぎちゃんの待っている砂浜に降りて行きました。
現実の世界に帰ってきたのです。



帰ろうね.jpg



みんなで手をつないでとんでいます。
さあ、日本に帰るのです。
「ありがとうなの、みんなのお陰でシャー坊に会えたなのよ」
「わたしも嬉しかったよ」
そう言ってちびたちゃんに笑いかけました。
「ぼくもうれちかったでちゅよ・・・でも、ぼくはお家にかえれるのでちゅか?」
「やなぎちゃん、心配しなくてもキッキちゃんがやなぎちゃんの情報を集めてお家に連れて帰ってくれるよ」
ヤーダ君もそういながら嬉しそうでした。
「あんね、ぼくね、いっぱいいるの・・おにいちゃんとおねえちゃんがね・・ええっと・・雷ちゃんに恵ちゃんにすみれちゃんにこうめと椿と、ああ、これは兄妹で・・ええっと・・」
「すごい!やなぎちゃんは大家族なのね〜、でもね、ちびただっていっぱいなんだからな、ええっと・・トラキチとーちゃんでしょ、そしてねかーちゃん、それにシャー坊、そしてねいっぱいなのよ」

満月の夜空のみんなの笑い声が響きました
みんなは満月より高く上がって行きました。


  おわり
posted by ムクムク at 13:23| Comment(4) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする