2009年10月21日

チッチの赤い首輪(絵本) 最終回

チッチちゃん.jpg

おまえは病院から帰った後、食事をする事もなく部屋のすみにいきたがる。目はキラキラひかり閉じて眠ることができない。
目を閉じる力が無くなってしまったのか・・・。
軽くなったおまえを抱っこして庭に出る。
もう自分の力で歩く事もできないおまえと私は夕日が沈むまで庭にたたずむ。おまえと出会っておまえと過ごした日々が私の中で大きな波のように寄せてくる。
私を見るおまえの瞳はなにを思うのだろうか。

そしてその夜、私はお別れが来た事がわったのです。なぜだか分かってしまったのです。おまえを愛してくれた人に来てもらいお別れをしてもらった。
「チッチ」って声をかけると、おまえは尻尾をとんとんと動かし挨拶をしてくれた。
目を開いたまま少し体を動かし移動する。抱っこされるのが嫌みたいに体をすみに移動するのだ。
「チッチ・・」
おまえはもう尻尾で挨拶をする事もしなくなる。

七月の夜は肌寒く私には冬のように寒く感じた。
おまえのエネルギーはどんどん消えていきそうになる。
おまえをバスタオルに包んで抱っこして座り続ける。その間もおまえは瞳を閉じようとはしないのだ。なにを見ているのか・・私が見えているのか・・おまえの気が小さくなって行くのがわかる。
「うにゃ〜〜ん」
おまえは大きな一声をあげ、大きく呼吸をする。

2004年7月14日午前3時15分 おまえは旅だった。

開いたままの目を閉じてあげる。おまえが最後に見たのはなんだったのだろうか。そのあとの私は立ち直れない悲しみと脱力感から抜け出せない日々が続いた。

おまえとの出会いが今の私があるのだ。おまえと出会わなかったら田舎暮らしもなかっただろう・・そして多くの仲間のニャンコやワンコを愛する事も無かったかも知れない。すべておまえが引き合わせてくれたのだと思っている。ありがとう・・って今は言える。


その後

白猫軍団はモノちゃんを苛め続け、モノちゃんは猫嫌いになり離れで生活をするようになる。おまえがいなくなりバランスが崩れみんなの優しさが壊れたのだ。
そして、シッポちゃんが何処かに消えてしまいました。
そのあと、台風の日に風ちゃんがやって来て、後に太郎が来る。
のんちゃんは白血病でお星様になってしまいました。
ユキちゃんが迷い込み、チャトーがやってきて、そして・・ポッポ母さんは乳がんで逝ってしまう。そのあとモッチちゃんが来るのだ。ルーンちゃんを保護して、春ちゃんがあらわれ、モコちゃんとロッシちゃんがやって来る。
おまえがいなくなってから・・・・
本当にいろんな事があった。

そしておまえを愛した主人も逝ってしまいました。
今ごろ、おまえは誰と話をしてるのかしら、花ちゃん、シッポちゃん、のんちゃん、ナッちゃん、ポッポちゃん、そしてお父さんとお話でもしてるのかしら・・

ありがとう  チッチちゃん


  おわり


最後の日.jpg

チッチ人形.jpg

チッチちゃんの人形
小さいころのチッチちゃんの人形ですよ。なかなか可愛く作れたって思っています。
ラベル: 絵本 イラスト
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2009年10月05日

チッチの赤い首輪(絵本)その20

チッチは.jpg

花ちゃんとの別れがあり、そのあとすぐに引っ越しが始まる。
花ちゃんのことは忙しさが私を助けてくれたように、少しは心が落ち着きだした。

今までより少し広くなった家でおまえたちと田舎暮らしを頑張るのだ。
庭には花を植え、のんびりと日向ぼっこが出来るように庭に椅子を出し、クッションも用意した。
しかし、おまえは小さくなったままなのだ。
食欲もなくなる。
大好きなマグロのおつくりを毎日用意する。
おまえはグルメだから、冷凍のマグロは食べないのだ。
私たちは冷凍でも良いのに、おまえは「これは美味しくないよ〜ちゃんとしたのを出してよ」って顔で砂かけをする。
牛乳も安売りの198円のはダメだ。
おまえは銘柄を読めるのか?って思うほど、いつもこれはダメってダメだしをする。
カリカリもず〜っと手の平に乗せたものしか食べない。
だから、おまえには食器は必要ではないのだ。
そんな我儘なおまえに家族は、下僕のように使えてきた。

今、そんな我儘でもいいから、もっともっと我儘を言ってくれたらなんでも聞いてやるのに・・・

大好きなマグロを小さく、小さく切って手の平にのせ口元にもっていく。
一口、ようやく一口食べる。時間をかけ少しだけ食べる。
それだけで私たちはホッとするのだ。
二日に一回の点滴。
点滴をした後は食欲が出るのだ。
とにかく食べて欲しい・・
おまえはもう、子猫のように軽くなっていた。
目はまんまるでキラキラしている。
目だけがキラキラしているのが不思議だと思う。顔の肉も落ち、あの福与かな姿はどこかにいってしまった。
幼い子になったような目で私を見る。
軽くなったおまえを抱っこして庭を散歩する、おまえは私の腕の中で庭を散歩するのが好きだ。
色んな話をおまえとしながら散歩する。あと何日、おまえとこうして散歩できるのだろうか。

また、点滴の為に病院に出かける。
が、この日は何時もと様子が違う・・車の中でいきなりおもらしをする。おまえがおもらしをするなんて・・今まで一度もそんな事はなかった。おまえは賢いからキャリーもいらない、いつも膝に抱かれて病院に出かけるのだが・・・
私の膝におまえはもらしをしたのだ。
なんとも言えない不安が襲う。

この日のおまえの体温は少し下がっていた。
一番恐れていた事なのだ。体重はもう3キロを切っている。
「チッチちゃんを連れて、車で通うのはストレスがかかると思いますので、今日で点滴はおしまいにしましょうね」
「それって、無駄って事ですか?」
「どちらが良いかって事なんです。少しでもストレスが無い方が良いと思いますよ」
「いつまでですか、一週間ですか?半月ですか?教えてください、覚悟をします」

覚悟なんて、もうとっくに出来ている・・・はずなのに・・覚悟なんて出来ない。
それでも、覚悟をしなくては・・・今、ここで私がうろたえたらおまえが可愛そうだ。しっかりしなくては。
「言いにくいのですが、一週間は無いでしょう」
「じゃ・・・明日かも、明後日かもしれないって事なんですか?」
「体温が下がっています。」

身体の震え止まらない。しかしおまえはキラキラした眼で私を見るのだ。今は泣かない。おまえに泣き顔は見せないのだ。そう思う事でようやく震えが止まる。大丈夫、おまえには私がついているのだから。


  つづく
ラベル: 絵本 イラスト
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2009年10月02日

チッチの赤い首輪(番外編)野ら犬、捨て犬

 花ちゃんが居なくなって、私の中で犬と向き合う事が多くなりました。
大阪に居た頃はあまり見かけなかった(見なかった)野ら犬や捨て犬を良く目にするようになる。花ちゃんのように、トボトボと歩いている悲しげな犬を目にする事が多い。
それらは、野犬だったり、捨てられた犬だったりする。

花ちゃんが私に引きあわそうとしているのかも知れない。
そんな中、すごく困った顔をした犬と出会う。
ハスキー犬のミックスらしい、大きな犬である。
首輪はしているが、家を探す風でもなく店の周りから離れない。
見た目にその犬は目つきが怖そうで、人間に対して信用してない顔をする。しかし、困った顔をしている。
お客さんが怖がるので、私はその子を裏にロープで繋ぎ、食べモノを与える。私自信、怖々で、首輪を掴むときはドキドキしたものでした。
この子は本当に困った顔で私を見るのです。
不安と人間不信の三角目で・・・尻尾は股の中に隠れて見えないぐらい下にさがってました。

なっちゃんA.jpg

↑の写真は保護してしばらくしてからの顔です。

花ちゃんの事もあるので、この子をここに置いておく事は出来ず、我が家に取り合えず連れてかえる。が、どうも、アカちゃんとは合わないようだ。
お互い唸り声を上げ今にも飛びかからんとしている。
私たちはほとほと困ってしまいました。困った顔の犬と困った顔の私たち。
最後の手段、仲良くしているあづらさんに頼むしかない!
このあづらさんはポッポちゃんの子供を一匹連れ帰ってくださった方で
動物に対して愛情たっぷりな方なんです。それに、私みたいなおばさんじゃなく若くて綺麗な人なんです。

条件付きでOKをしてもらう。
散歩は行きます。すべて面倒みます。だから、助けて・・・などなど。
結局、この子は二つの家族をいきなり持つことが出来たのです。
毎朝、主人は車であずらさんの家まで行って散歩をさせる。そしてまた、あずらさんが散歩をしてくれる。
愛情いっぱいに育てられました。
名前は「ナッツ」ココナッツの「ナッツ」、みんなでナッちゃん、ナッちゃんと呼ばれ、尻尾はドンドン上に上がってきました。

残念な事に、ナッちゃんもやはりフィラリアに感染していました。
年齢は分かりません。かなり、歳を重ねているだろう。そして子供も産んだ事はあるだろう・・
そして、この子も花ちゃんと同じように猟犬だったのでは?

人の話では、役にたたない猟犬を山に置いて帰る人がいるらしい。
そんな猟犬は山の中で野犬になって生きていき子もある。らしい

なっちゃん.jpg

クローバの花の冠を、あづらさんにつけてもらってご機嫌なナッちゃん


二つの家族に愛され、そして本当に可愛くなったナッちゃん。
顔は困った顔から幸せな顔に変わっていくのです。
あづらさんにも、私たちにもなくてはならない存在になって行きました。
予測はしていましたが・・・ナッちゃんはみんなに看取られ虹の橋を渡っていきました。
たぶん、ぜったい、幸せだったであろう3年と少しの日々。
亡骸は我が家のヒノキ林の隅に、花いっぱいにしてもらい葬られました。
みんなが泣きながら土をかぶせました。
花ちゃんと会ったらいいのになぁ〜って思いながら。

なっちゃんB.jpg

すっごく、いい顔してるナッちゃん


その悲しみが癒えない日々の中で、また、遭遇しました。
今度は、置き去りにされた犬です。
お腹が大きく、首にはこの間まで首輪をしていたらしい後がありじ〜っと米付き(精米機)のところで飼い主をまっているらしき犬。
誰の顔を見るのでは無く、ただひたすら飼い主が迎えに来るのを待っているような・・・。
近づいて餌をあげようとしても無視される。
朝が過ぎ、昼が過ぎ、夜になっても動きません。
次の朝も同じ場所にいる。時折、車が入ってくると首を上げ確認するように車を見る。白い軽自動車に反応する。立ち上がり近づくが、残念そうにまた元の場所に戻る。
そしてまた、夜が来る。
そして朝を迎える。
「あの子、まだ、居たわ・・夕べ遅くに車で通ったけど、首だけあげてまた寝たわ・・・それに、近くの人は保険所に電話するとか言ってるで」
あづらさんからの電話を受け、私はバイクでそこまで行く。
とにかく食べモノを食べささないと・・
どうした事か、この子はあづらさんから食事を受け取ったのだ。
二人はカンコーヒーを飲みながら、この犬を見ていた。
「どうする?どうしよう」
「とにかく、車に乗せるわ」
あずらさんの車になんとか犬を乗せ・・・・
知り合いで犬好きそうなところに電話をかける。
泣き落とし、脅迫?いろんな手段を使っても無理だった。
我が家には、そのころアカちゃん以外に2匹の犬が増えていた。
どの子も分けありの子です。
「あづらさん、これって、ナッちゃんがどうにかしたって言ってるんやで」
「なんぼなんでも、早すぎる、まだ、ナッちゃんが家にいてるわ。小屋もそのままやし、切り替えできん、ナッちゃんが可愛そうや」
そんな事を云いながら車の中でこのお腹の大きな犬をみつめる。
「きっと、ナッちゃんが引き合わせたんやわ、私が連れてかる、こうなるようにナッちゃんが決めたんだと思う」
さすが、女の子、決断が速い!
私たちはこの子の首輪、リードなどを用意する。
可愛そうだが、病院でお腹の赤ちゃんは始末してもらいました。
そして、この子は「ココ」ちゃんと名づけられました。
ココナッツのココです。
ココちゃんはまだまだ若いようです。

今は元気、元気であづらさん家族になり幸せ絶頂です。


kokotyann.jpg

真っ黒でちっちゃい身体で甘えん坊さんですよ


それから・・・・我が家でひきとったルーンちゃんと出会います。
かなりの老犬・・耳の遠い、目も見えにくい、むだ吠えをする。徘徊するルーンちゃんなんですが今は我が家で好き勝手しながら元気ですよ。


ルーン.jpg



このような捨てられた犬と接しながら
人間(捨てる人)に腹を立てる。そして思う、どうか、こんな子が居なくなるようにって!
私の知らないところで、保護され幸せになってくれる子、そして人を恨んでこの世を去っていく子。

花ちゃんと出会って、良かったって 
今、思います。
花ちゃんが教えてくれたのでしょうね。
それに・・餌やりはダメだという制度が出来たり、野らでは生きていくことが難し時代になってしまいました。

私はそれでも、こっそり餌をやってしまいます。
今日だべた分、一日は長く生きてくれる・・・そして誰かと出会って、幸せになってくれるかも・・・そう信じて。
ラベル: 捨て犬 野ら犬
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2009年09月30日

チッチの赤い首輪(絵本)その19

花ちゃん6.jpg

引っ越しの用意はかなり出来ていた。
5月は終わり、蒸し暑い日々がやって来るのだ。
6月2日、この日は仕事がお休みなので、すっかり朝寝坊をしてしまった。
アカちゃんを連れて、そして花ちゃんとお散歩に出かけなきゃ・・
花ちゃんは足に力が入らないのでゆっくりと花ちゃんが歩きたいように歩かせるのだ。

もう、朝日は射し込んでいた。
「花ちゃん、おはよう、散歩にいけるかな?」
花ちゃんはぐっすり寝込んでいます。
声をかけても起きてきそうにないので、傍までいって顔をなぜてやる。

動かないんです。

花ちゃんは眠ったままで目を覚ます事はなかったのです。
本当にぐっすり眠っているように思え、ゆっくりと起き出すと思えるぐらい安らかな顔をしていました。
ただ、呆然とするしか・・・
涙も出ないのです。あまりにも突然で、そして知らない間に逝ってしまって・・それに、あまりにも安らかで。

ふらふらと家の中に入り着替えをする為にタンスを開け・・
「うわあぁ〜ん」
大きな声で泣きだしたのです。自分でもびっくりするほどの声を出して。
おさげのように耳を広げ首を傾け後をついてくる花ちゃんが。
ウオオ〜ンって重低音の声で鳴く花ちゃん。
バキュームみたいに食事をする花ちゃん。
身体をゆすりながら歩く花ちゃんは死んでしまった。
私はワァ〜ンワァ〜ンと声を出して泣いた。


  つづく


花ちゃん5.jpg

花ちゃんの人形(木工)
花ちゃんを思って作りました。今も家に飾ってあります。

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2009年09月28日

チッチの赤い首輪(絵本) その18

tiltuti.jpg

おまえを連れて病院に行く。
「なんか、少しスマートになり過ぎみたいな気がするんですが・・べつに調子が悪いとかはないのですが、念の為に見て下さい」
少しだけに不安と大したことも無いのに大袈裟だと思われないか・・の気持ちで先生の顔色を見る。
女先生が「う〜〜ん、先生ちょっとここ見て下さい」
そう言って男先生におまえのお腹を触りながら促す。
「ああ、ありますね〜掴めるほどになってますね」
「なにがあるんです?」
「ここを触ってみてください」
そう言われても私にはどこがどうなのか分からないのだ。
「たぶん、癌でしょうね。肥満細胞腫で、腸管に腫瘍が出来ているのでしょ・・」
「じゃ・・手術をしないと・・」
「え・・難しいですね、手術をしても助ける事は無理かもしれませんね。猫の場合の術後、助かったっていうのはね〜、それにここまで大きくなっている場合は確率がもっと下がります。もし、どうしてもっておつしゃるのなら手術はやりますが・・良く考えてみてください」
「手術してください。助けて下さい・・一番大切な子なんです」
もう、頭は真白。自分でなにを言っているのか分からない。

おまえを抱き締めごめんごめんと謝る。
家族でおまえの事を話し合う。
いくら考えても一番だと言う答えは出てこない。
そして、私たちはどの誰よりも愛しているおまえの手術はやらないって事に決めた。
これが一番良い方法かは分からない。ただ、何日間も病院に入院して痛い目をして、淋しい思いをさせ、そして良い結果が出ないような事があれば・・・おまえの残された時間をそんなところで使いたくない。それが私たちの決めた理由なのです。
三日後、病院に手術のキャンセルに出かける。
「先生、このままでどれぐらいチッチは生きてくれます?」
「はっきりとは言えませんが、たぶん夏ごろまでか、いや、もっと・・」
「夏!今は4月ですよ、もうすぐ夏ですよ・・そんなに悪いのですか?」
「半年は無理だと思います。ここで分かる事はそんなぐらいしか分かりませんが・・ここまでの経過を考え、腫瘍の大きさからしても・・それに前に診察した時からしても又体重が減っていますからね〜」
そうなんです。一日に150グラム、体重が減っていくのです。

ダイエットを、って思っていた時には7K弱の体重がありかなり重そうに思えていたのに。
おまえはそんな病気だとは知らないで、いつものようにみんなと遊び元気そうには見えるのだ。
ひょっとしたら、これは夢ではないだろうか、何かの間違いじゃないのか・・そう思うほどおまえは変わらず遊んでいる。
しかし、おまえの身体はどんどん痩せてくるのだ。

六月の中頃には引っ越しをするのだ。
おまえが楽しめるように猫ハウスも作っているのだ。
もう少しで引っ越しできるのだ、おまえも花ちゃんもみんな一緒に新しい所で楽しく生活するのだから・・。

5月終わりごろ、おまえの体重は今までの半分になっている。
病院に行くたびに、体重を計るたびにおまえは小さくなっている。
そして、花ちゃんのお腹はどんどん大きくなり動く事が辛いみたいになって来ている。
花ちゃんの食欲はあるほうだがフィラリアは身体中を支配しているように思える。
黒い大きな目で、それでも嬉しそうに私を見上げる花ちゃんと痩せて小さくなって行くおまえを・・・
おまえを抱っこして散歩に出かける。その後をアカちゃんと少し辛そうに歩く花ちゃんが付いてくる。涙がこぼれる。
今、ここで泣いてはダメだと思うのだが、田植えされ、行儀良くならんだ稲の苗を見ていると悲しくなる。おまえもお花ちゃんもこの稲の苗が稲穂を付けて黄金色になるのを私と一緒に見てくれるだろうか。


  つづく


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2009年09月25日

チッチの赤い首輪(絵本)その17

そろいぶみ.jpg


辛い日々を乗り越えて花ちゃんは退院してきた。
ただ、花ちゃんの身体の中にはフィラリアが占領している。
「かなり前からフィラリアにかかっています。ここまでくると手のほどこし様は無いですね・・良くもって一年かな」
病院からの帰りに先生がおっしゃったのだ。
もう、今更ジタバタしてもしょうがないのだ。
それなら、思いっきり可愛がってあげよう。
幸せだ〜って思ってくれるようにしよう〜そうしたら人間を許してくれるだろうか・・・

一番に、おまえが花ちゃんを出迎えた。不思議そうな顔をして少し警戒気味に花ちゃんの周りをあるく。
そこまでは良かったが・・アカちゃんがいきなり飛び出してきて花ちゃんの鼻の上に噛みついた。すごい顔で花ちゃんを威嚇している。
花ちゃんは脅えた顔はするものの、アカちゃんの威嚇に対して無視を決め込む。なんとかアカちゃんを宥めようやく落ち着く。

庭で全員が遊んでいる時も花ちゃんは「誰も見てない、見えてないよ〜」って顔して上を向くのです。
白猫軍団が花ちゃんを覗きこんでも目を逸らし、「誰も見えないよ〜」って上を向くのです。正面にアカちゃんがやって来ても、身体をかわし上を見ます。これでは誰もケンカしようって気がなくなるようで・・知らない間に花ちゃんはみんなと溶け込んでいました。
アカちゃんと花ちゃんはリードなしで散歩出来るのです。

四度目の冬もなんとか凌ぎ、春がそこまでやって来ている。
夕方の散歩は懐中電灯がいる。まわりは真っ暗で陽が沈むと夕方も夜中も同じ風景なのです。
しぶしぶ歩くアカちゃんとうきうき歩く花ちゃんが並んで散歩するのです。
その少し後ろから、おまえとシャーちゃんが散歩に付いてくるのだ。
振り返って懐中電灯を向けると四つの目が光っている。
「今日もまた付いてきたなぁ〜」
その声に四つの目は二つ、二つにわかれ草むらの中に隠れる。
「隠れてもわってるよ〜」
散歩の帰りは、おまえを抱っこして帰る、途中からシャーも抱っこをせがむのだ。
毎日、星をみながらの散歩を楽しむのです。

庭で草むしりをしていると、振り向くと花ちゃんは必ずいる。
私が歩くと必ずついて歩く背後霊みたいに一メートル以内にいるのです。
ウオオ〜ンと重低音のきいた声で鳴くのです。
しかし、お腹は妊娠をしているように大きくなっているのです。
それでも、花ちゃんは元気に私の後を付いて歩くのです。
この夏には、引っ越しです。
今は借りている家なので、犬2匹、猫6匹はやはり無理なのです。
少しは広くなり、気ままに改装も出来、気分的に楽になれるのです。
花ちゃんがそこでも元気で遊びまわってくれる事を祈っていました。

心が花ちゃんの心配ばかりしていたので気がつかなかったのですが、おまえが少しスマートになった気がする。
ちょっとこのままではデブちゃんだわ〜なんて思ってダイエットなどを考えていたので、「チッチ、運動してるん?なかなかスマートやんか」
理想的な体型にもどって来ているのを喜んでいた馬鹿な飼い主だったのです。
山裾の土手に一輪草の白い花が可憐に咲きだし、穏やかな春の日差しが若草色の山を育てている頃。
おまえはスマートより痩せている?って思えるようになって来ていた。
しかし、ダイエットが成功していると思いつつ、念の為に病院に行くことにしたのだ。
そして、この馬鹿な飼い主は思ってもいない言葉を先生から聞くことになるのです。


  つづく



花ちゃん4.jpg

背後にせまる花ちゃん





ラベル: 絵本 イラスト
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2009年09月24日

チッチの赤い首輪(絵本)その16

花ちゃん3.jpg


花ちゃんの手術から五日後に病院から電話が入る。
「どうも、良くないのです。食事はしないし、状態は良くありません。もし、逢いに来ていただけるなら、来てください」
先生からの電話はたぶん、この一日が山であると云う事なのだ。
慌てて病院にかけつける。
この日は午後からの診察は無い日なのですが先生は花ちゃんに付きっ切りで診ててくださったのです。
裏口から診察室に通され、診察台には花ちゃんが横たわっていました。
「花ちゃん、花ちゃん」
私の声を聞くと花ちゃんは辛そうな身体でにじり寄ってくるのです。
そして私の脇の下に顔をうずめじ〜っとしていました。
グイグイと顔をうづめてくる花ちゃんを見て先生は「助けてくれたって事が分かってるのでしょうね〜」そう言いながら花ちゃんはあの後もう一度手術を受けた事を話された。
背中に膿がたまり腫れたためにそれを出す手術をしたらしいのです。
そして、私の脇に顔をうずめた花ちゃんは、それでも物足りないのか力をこめてグイグイと顔を押しつけます。
「ひょっとしたら・・助かるかもしれない。今までこんな動きもしなかったから、いや、これなら食事を摂るかも知れない」

そうなんです。
この日を境に花ちゃんは食事もちゃんと摂るようになり回復に向かい出しました。
犬にだって感情があるのです。こんな繊細な子を、こんなに人間に甘えたがっていた子なのに・・・

花ちゃんを連れていった時に2万円だけしか渡していなかったので、あとの治療代の事も気になります。
そのころ、家を探していて、丁度気に入った物件があったのでお金はそちらの方に使って、ほとんど無かったんです。
それに、そのころは商売も始めたばかりで大した儲けもない状態だったのです。
いくら掛ってもなんて言ってしまいましたが・・
今すぐに出せるお金は10万ほどしか有りません。
病院に行って先生にお願いしました。
「いくらかかっても花ちゃんを助けて下さい・・・ただ、今10万円しか有りません。あとは月々払いますので、宜しくお願いします」
「あはは、大丈夫ですよ〜こちらも事情は分かってこの子を診たのですから」
先生から気持ちの良い返事を頂き、もう怖いものは無い。
花ちゃんをとことん診てもらおう!

花ちゃんは奇跡の回復をしたのです。
21日間の入院生活をして生還したのです。
そして、治療費は、最初の2万円と後から出した10万円。つまり12万円で済んだのです。って云うかそのようにして下さったのです。
入院費用だけでも、普通は1日5千円はかかるのに・・・
さらに、さらに、退院のとき大袋には入ったドッグフードまで下さいました。
ああぁ〜世の中捨てたのもじゃない!
花ちゃんが回復した上に、こんなに病院で優しくして頂いて、鬱々した私の心がゆっくりと溶けていくのがわかりました。


  つづく
ラベル:イラスト 絵本
posted by ムクムク at 01:02| Comment(7) | TrackBack(0) | チッチの赤い首輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月22日

チッチの赤い首輪(絵本)その15

花ちゃん2.jpg

取りあえず、保護したビーグル犬に名前をつける。
太郎、花子の花子にした。ここでも安易な名前となる。
もし、誰かがこの子飼ってくれたら、きっとステキな名前を付けてくれることだろう。それまでは花ちゃんって事にしよう。

花ちゃんは、クサリで繋いではいないのだが、何処にも行こうとしないなだ。いつも、店の裏で大人しくしている。鳴き声も聞いたことがない・
・・とにかく良い子にしていてくれる。
お客さんなどに里親募集をお願いするがなかなか上手くいかないものなのです。
諦め、我が家でなんとかしようか・・アカちゃんは、犬が大嫌いときているから、その辺の調整が難しいのです。
そんな事を考え、二日が過ぎてしまいました。

花ちゃんは、良い子にしているかな〜
いつも、朝10時過ぎにお店に着くと花ちゃんは店の裏から細い尻尾を振りながら出てくるのです。すごく嬉しそうな顔をするのです。
「こんな可愛い子を二度まで捨てるなんて!」花ちゃんの顔を見るたびに思うのです。


「花ちゃ〜ん」
いつものように・・・出てこないのです。
「散歩かな?・」
心配になって店の裏を覗いてみる。
「なんや、おったんか〜寝てたんか?」
花ちゃんはク〜ウ〜って声を出し私を見つめた。
いったいどうしたの?目は真っ赤に充血して涙が出ています。
そしてヨロヨロっと起き上がり私に近づくのですが・・変なんです。
それに異様な臭いがするのです。
「わぁぁぁぁ〜!花ちゃんが・・・」あとの言葉は出てこなかった。
ただ、あああぁぁ〜しか言葉がでてこないのです。
「お父さん、病院、病院病院に行こう!」
その声にびっくりした主人。
なんて事でしょう。花ちゃんの首がザックリと切れているのです。
血の臭いだったんです。
首の後からぐるっと喉まで・・生きていてくれている。
もう、仕事どころではありません。

病院にたどり着き、先生になんとかして下さいと泣きつく。
「保護した犬は、権利は保護した人にはないのです。飼い主がどうするかを決める事で・・・あと後、問題が起きますので・・」
「だから、飼い主がこの子を二度まで捨てたのですよー権利なんてないです。権利は私にありますから、助けて下さい」
「わかりました、なんとかならないかも知れませんよ。もう、首の周りは腐敗が始まっているし手術に耐えれるか。安楽死って方法もあります。安楽死となると、やはり飼い主が解っているなら連絡された方が・・手術にしても、もしやって事の方が多いので連絡だけでもされた方が」
「なに言ってるんです・・もし連絡したら安楽死どころか、今のこの子を連れて帰って何処かに捨てるでしょ!」
そんな話をしている間にも花ちゃんは苦しそうな呻き声をだしていました。
「野犬とケンカしたのでしょうか?」
先生は手術する方向に心を固めて下さったようです。
「このキズは野犬とケンカじゃないですね〜こんな綺麗な切れ口は刃物によるものです。それに動物とケンカしたのなら歯のあととかが有るはずですが」

先生のその言葉がどれほど恐ろしい事をさしているのか。
人間の仕業だったんです。
人間がこの大人しい花ちゃんの首を切ったのです。
身体の震えがおさまらない。涙がボロボロこぼれ出した。
涙の意味は自分でも分からない。ただ、涙がボロボロとこぼれるのだ。
「お願い、どんなにお金が掛ってもいいです。どうかこの子を助けて下さい」


花ちゃんを病院に預け、カメラをもってもう一度病院へ。
花ちゃんのキズをカメラに収め、印刷をして交番に出かけた。
絶対に許せないのだ。こんな事があってはならないのだ。
おまわりさんと現場にもどる。店から少し離れた所に血しぶきの痕を見つけるが・・
おまわりさんにはたかが犬のような態度で話しをされる。
「器物破損」
そんな言葉が出てくるのです。
それに被害届は持ち主がする事であって、持ち主以外からは受付られにとのこと。私は日頃からあまり腹がたったり感情を激昂するタイプではないのですが、このときばかり声を荒げていました。
「なにも、慰謝料がほしいとか、被害者だとか言ってるんじゃないのんや、こんな事をする人間を捕まえろって言ってるんや。虐待やよ!こんな事を平気でする人間がこの辺におるんやで、許せんやろーはよ捕まえてや」
「そりゃ、そうですよ。しかし、この辺の人とは限らないですよ。国道沿いだし、よそ者かも知れないし」
やだ、やだ、もう嫌だー!
叫びたい気持ちでいっぱいでした。

二度も飼い主に捨てられ、そしてこんな虐待を受けて。
なにがなんでも花ちゃんは助からなくては!祈るしかないのです。

その日の夕方、病院から電話が入る。
「なんとか成功はしましたが、ここ、2,3日が山ですねー本人の頑張りしかないです。それと・・首から下のほうにジャリや木くずが入っていました。手を入れて掻きだすほど・・ですから背中も開いて手術をしました」
ああぁ〜花ちゃん、どうしてこんな目にあうの?
人間の恐ろしさに震えました。
どんな事をしても花ちゃんを助けてください。って先生にお願いをする。

この日から、私の人間不信が始まってしまうのです。
見る人見る人が花ちゃんをキズつけた人に思えるのです。
店に来るお客さんも、様子をみに来ているのかも知れない・なんて思えてしまいます。
花ちゃんがひどい目にあった事はほんの身内的に仲良くしている人以外には話をしないようにした。
私たちが動揺して怖がっている姿を見て、喜ぶかも知れないからだ。
何事もない顔をして・・・心の中では・・おまえか?なんて考えている
自分も怖い。


  つづく
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2009年09月21日

チッチの赤い首輪(絵本)その14

花ちゃん1.jpg

朝早くに電話をかけるのはどうかな〜って思いながら、受話器をとる。
心臓は少し早く打っているようだ。
「もしもし、あの〜ちょっとお伺いしますが・・そちらにビーグル犬が帰って来ていないって事、ありません?」
「はぁ〜イヌですか〜」
「ええ、迷子になった子がいるとか・・そんな子いません」
「おるにはおるが〜・・どんな柄の子やで〜」
「全体が茶色で背中は黒、おんなの子で、歳はとっています。おたくの子じゃないのかしら」
「まぁ〜たぶん・・・どうしてわかったんじゃろが・・」
「電話番号が札に書かれてましたが・・」
「ああ〜・・・」
私はじれったく、なんだか腹が立ってくるのを押さえられない。
「すみませんが、今保護してるのですよ。それで迎えに来てもらいたいのですが。今、すぐに!」
「じゃけー今だれもおらんで、車もないのじゃけー・・」
「じゃー、私が連れて行きますので、目印になる所を教えてください」
電話を切ったあと、なんとも言えない嫌な気分になる
ーないが、おるにはおるがーなのよ。ふざけないでよー
夕べあんなにがんばって暗号解きをしたと云うのに・・・
私はどこかで「わぁ〜さがしていたのですーありがとう!嬉しい!」
なんて言葉を期待していたのです。
ビーグル犬を車に乗せ、目的地まで、となり町の飼い主を求めでかけました。
訪ね訪ね、やっとその家に着く事ができました。
ビーグル犬の様子を見ると、怯えているのです。シッポは股の下に入り込み、どう見ても喜んでいるように見えないのが・・心配なのだが・・そこに現れた女の人は大柄で太い腕でグイッとビーグル犬の首輪に手をかけ引きずり降ろそうとするのです。
「あの〜、もっと優しく出来ません?この子弱っているみたですよ。抱っこして降ろしていただけません」
女の人はムッとした顔をしたがビーグル犬を抱っこして降ろしたのです。そして、ありがとうの言葉もなくさっさと家の裏に入ってしまったのです。
後悔が・・なんなのよー
シトシト降り出した雨のようなどんよりした気分のまま、のろのろと家に帰るしかありません。
ずーっと後悔が頭から消えない日々を過ごしました。
なぜ、あんな処に戻してしまったのか・・

しかしその日から一週間たった朝、仕事場である店の駐車場のゴミを掃除していると、国道の向こうから、ビーグル犬がトボトボ歩いているのです。
まさか・・・・まさか・・・
その犬は私の姿を見つけました。
似ています。
その子は私を見つけると、シッポを振りながら近づいてくるではありませんか。
ああーあのビーグル犬に間違いない。
なんて事なんだ!今度は首輪は外されているのです。
「あなたは飼い主に2度も捨てられたにね」
そうだったんだ。捨てられた子を私は連れていったのだ。

私は店の裏にダンボールを置いて、餌を上げ、誰かこの子を飼ってくれる人を探そうって決めました。

しかし、このビーグル犬の受難はこんな事では終わらないのです。


  つづく
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2009年09月19日

チツチの赤い首輪(絵本)その13

花ちゃん.jpg

近くの交番でこのビーグル犬を探している人がいないか方々に問い合わせをしてもらう。
すべて、調べれらるところに連絡してもらうが「う〜ん、誰からも届は出てないようですよ」
そんなはずは無いでしょう・・
ここまで育てたら居なくなったら・・・心配されてるはずだ。
しかし、そうは思ってもどうする事も出来ない。
「あの〜、私がこの子を連れて帰る事は出来ないので、こちらで預かって飼い主をさがしてくださいね」
「いや、預かっても、一週間で飼い主がみつからないと、愛護センターに行きます」
「じゃ、愛護センターで里親とか、飼い主を探してくださるんですよね」
「そうじゃなく、処分されるんです」
「処分!?落し物じゃないのですよ、処分ってどういう事なんです」
ガ〜ン!
頭が真っ白になる。
どうすれば・・とにかく預ける事は出来ない。なんとか飼い主を探そう。
首輪についている札を手がかりに探すしかなのだ。
我が家に連れてかえり、アカちゃんと遭遇しないようにこっそり離れに寝どこをつくる。
首輪から外した札を家族で暗号解きのごとく調べる。かなり古い札なので、番号が書かれているのが擦れているのだ。名前らしきカタカナの字もあるのだ。
たぶん電話番号らしい、7で始まる局番みたいだ。電話局に問い合わせ7で始まる局番を聞くが無いのだ。
何時間も電話帳と格闘する。
やっと暗号が解けた。7で始まる局番は昔のぶんで、今は前に一桁の数字が入るのです。
電話番号と擦れたカタカナの名前も分かった。
ミだと思ったのはヨだった。縦棒が擦れていたのだ。
「やったー!」
気がついたらもう夜中の2時である
今頃電話をするわけにはいかないので、朝まで待つことにする。
きっと、電話をしたら喜んでもらえる。
もう、大丈夫。探しあてた満足で気持ちが高揚しているのが自分でもわかる。


  つづく
ラベル:イラスト 絵本
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チッチの赤い首輪(絵本)その12

チッチについて.jpg

桜の花は咲き誇り、山は奇麗な緑の衣装を纏うよになった4月20日に白猫たちは生れた。
この子たちはポッポちゃんとおまえの愛情を受けて、なんの不満もなくすくすく育っている。
おまえは毎日、白猫の面倒を見るのが嬉しいのかいそいそと白猫の寝どこに出かけるのだ。

ポッポちゃんが忙しくなったのは、子猫たちが自由に、銘々が勝手に動き出した時なのです。
おっぱいを鱈腹飲んで、良く寝て、あとは好奇心のおもむくまま動きだすのだからポッポちゃんは休む暇がない。
ひとり捕まえて、寝どこに連れ帰るがまた、あとの子を探し連れ帰る。しかし、その時には、前にいた子は居ない。
そんな事の繰替えしなのだ。
「ウニャ〜ン、ウニャニャ〜ン」と独特の鳴き声を出し子猫を呼ぶ。
その呼び声には子猫たちは反応して戻ってくる。しかし、いつも呼ばれても戻ってこない子がひとりだけいるのだ。
シッポちゃんはいつも逸れていてポッポちゃんは首を咥えてもどってくる。ポッポちゃんはこのシッポちゃんだけには厳しく、少し姿が見えないと探し連れ戻すのだ。
「ポッポちゃん、シッポちゃんだって遊びたいんやから、もっと自由にしたってーや」
いくら私が言ってもシッポちゃんはポッポちゃんに首を咥えられ連れ戻されるのだ。
「ええーっ、分けへだてしてるん、シッポちゃんが可愛そうやんか」

でも、ポッポちゃんはシッポちゃんに意地悪しているのでは無いって事が分かったんです。
シッポちゃんは掃除機をかけても、少しも怖がらないし動くその先に反応して遊ぶのです。
「変わった子やわ」
そう思っては居たのですが、なんとなく気になり病院に連れ行き先生に見てもらいました。
「この子は耳が聞こえて無いですよ。それに、目の色がそれぞれ違っているのは身体が弱い事が、良くあるのです。あまり外にだすのは良くなと思いますね〜」

そうだったんです。
ポッポちゃんにはその事が分かっていたのです。
母猫の凄さを感じました。
ポッポちゃんにはシッポちゃんの事が心配でしょうがなかったんです。
そんなシッポちゃんも、みんなと同じように行動する事でいろんな事を覚えていくのです。
一番成長の良い、音ちゃんは知り合いの家に貰われて行きました。
ポッポちゃんは淋しかっただろうなぁ〜

残った三人の里親は見つからず(探してない)全部我が家で育てる事となりました。
少しの物音でも怖くて、すぐにテレビの裏にお尻だけ残して隠れる、ノンちゃんと、好奇心がいっぱいで、おまえの後ばかりついて歩くシャーちゃんと、小さくって耳の聞こえないシッポちゃん。このさんにんは毎日、毎日、家を壊さんばかりの大暴れなのです。
耳が聞こえないシッポちゃんも、その事を感じさせないぐらい自然にみんなとあそんでいまます。すばらしいですよ。耳が聞こえなくてもちゃんと身体で聴く事ができるのですね。

モノちゃんは、どうもこの白猫軍団が嫌でたまらないようです。
おまえが優しくモノちゃんを保護してくれているからなんとか我慢いているようだ。おまえが居なかったらモノちゃんは安心するところがないだろう。それほど白猫パワーには凄いものがありました。

そろそろ、田舎暮らしにも慣れ、この辺で家を探して買う事にしようか?そうしたら家を壊されてもいいかな?なんて考え始めました。
庭があり、今より広くて裏山なんかがあればもっと良い・・・そう思うとその方向に動きだしました。
いろんな人の紹介などで(このころは、もう有名人になっていた、大阪から来た人って)空家を見てあるいた。
出来るだけ、田舎っぽい家を、そして出来たら安い方がよいのだ。

そんなある日・・・
車の前にビーグルの老犬が・・・
慌てて降りて行き、様子をみる。首輪はしているのだから、近所の犬だろう、その子を車に乗せ一番近くにある家に訪ねてみる。
しかし、近所ではこんな子は見たことないって返事が帰ってくる。
困った私は交番まで行き、保護願いが出てないか調べていただく事にした。
私たちは思いもよらない残酷な事に遭遇するのです。

  つづく


雪とアカ.jpg

雪を見て大興奮のアカちゃん


あかちゃん.jpg

あかちゃん1.jpg

チッチとシャー.jpg

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2009年09月17日

チッチの赤い首輪(絵本)その11

ぽっぽ、のあかちゃん.jpg

田舎暮らしを始めて2回目の寒い寒い冬が終わりかけた時、ポッポちゃんの様子が変だと気がつく。
やっぱり・・・妊娠している。

今はおまえたちだけでも十分大変なんだから、それはちょっと困るのだ。
そんな不安に関係なく、ポッポちゃんのお腹は大きくなってくるのです。
病院に連れていって始末をしてもらおうか・・・・いや、出来ない。
育てるしかない。
でも、ここに来てからも妊娠する機会はあったはずなのに・・どうして今頃なんだろう?
どちらにしても、ポッポちゃんが無事にお産をする事を祈るしかないのだ。

ここに来て、冬を二回、過ごした。
大阪とは比べられない寒さに、初めての冬はここのまま、凍え死んでしまうのだと思ったものです。
おまえはコタツからは出てこない。アカちゃんも猫のようにコタツでまるくなったままだ。
雪が積もって、ツララが出来、表にあるアルミサッシの戸はお湯をかけないと開かない。
ああぁ〜ここは何処?北国?
温度計の針はマイナス13度。ほんまかいな?
大切に育てていたサボテンは一夜で溶けた(縁側に入れてあったのに)
話が違う・・
ここに来る前に、役場の人に「冬はどのぐらいですか?」って聞いたら
「そうじゃなぁ、京都ぐらいじゃろね」なんておっしゃった。
どこが、京都やねん・・・京都がここまで冷えるか〜?
よくよく、考えてみました。京都って言っても色々あるのだ。そうか〜
ず〜っと上の方の京都と同じぐらいだったのか〜
私は市内だと思ったのだ・・・と納得するしかなかった。

人間は学習の動物です。
二回目に迎えた冬が万全です。霜が降りるまでのに大切な花は居間の中に、暖房器具は揃え床はホットカーペット、コタツ、ストーブ、隙間風を塞ぎ・・・それでも寒い。
しかし、おまえたちは凄いのだ。そんな凍えそうな庭に出て遊ぶようになっていた。
アカちゃんも雪が降ると大喜びをする。
人間より適応能力がある事に驚いたものです。

そんな、冬が終わってやれやれって思った時に、ポッポちゃんはもう限界までお腹が大きくなっています。
ポッポちゃんも不安なのか、ミャ〜ミャ〜鳴いて私の後に付いて離れないのだ。
そろそろかしら・・って思った日、ポッポちゃんのお産の準備をする。
その日、ポッポちゃんの鳴き方が激しくなる。
私はお産ように用意したハウスの前でポッポちゃんの身体を撫で続ける。
そうすると、少しは安心なのか鳴き声が穏やかになるのです。私が動くとハウスから出て、後追いをする。おトイレに行くと、その前で鳴き続けるのだ。
私は覚悟をして、座布団を持ち込み、ポッポちゃんが赤ちゃんを産み落とすまでお付き合いをする事にした。
じ〜っと顔を見ていてあげるだけで、ポッポちゃんは落ち着くようだ。

真白いのが4匹!
どの子もこの子も真白なのだ。
愛おしそうに赤ちゃんを舐めているポッポちゃんをみて、良かった〜って思う。
おまえはいそいそと子猫を覗く、おまえはまるえ自分の子のように小さな赤ちゃんを舐めていた。
ポッポちゃんとおまえの子育てが始まった。
男の子が三人、女の子が一人。

ぼ〜っとのんびりした子に、ノンちゃん。
シャーシャー鳴いて威嚇している子に、シャーちゃん
そして、一番大きな子は、音ちゃん。(この子は知り合いの所で今も幸せに生活している)
ちいさくって目の色が違い、シッポが曲がっている女の子に、シッポちゃん。
あいも変わらず安易な名前を付けられ、白猫軍団に成長して行くのです。

  つづく
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2009年09月15日

チッチの赤い首輪(絵本) その10

縁側.jpg

私たちはようやく田舎に住むことが出来ました。
空家バンクに登録されてた家の中で特に田舎ぽい家を希望して住んでみる事にしたのです。
大阪から離れる時に友達は私に言いました。
「まぁ〜三月もったらええとこやわ〜あんたには無理やと思うで〜
毎朝、喫茶店でモーニングしたり、賑やかな事が好きやし、なんにも無いところで・・賭けてもええわ、すぐ帰るに」
そんな言葉を思い出しながらの生活。
部屋は8畳(本間)が二間、6畳が二間、土間があり(8畳)台所も土間になっていて、それを改装されている。やく10畳、縁側があり、庭は広い。そして目の前にある畑は使って良い。

おまえたちは初めてみる風景に戸惑いはしたが、さっそく外に出て探索をしている。
畑で遊び、庭で寝て、木に登り、退屈する暇なしの毎日があった。
アカちゃんは手術の後、どんどん体重が増えやばい状態になっていたので、少しはこれで運動をしてくれる事をいのる。

アカちゃんの散歩におまえはついて来るようになる。
いつも振り向くとおまえは後をトコトコとついて来ているのだ。
時おり車が通ると、おまえは溝の中に隠れる。そんなおまえが可愛いと思うのだが、もしもって心配になるので、アカちゃんの散歩の時はそろ〜っとわからないように出かけるのだが、しばらくするとおまえの呼ぶ声がするのだ。
溝の中から顔を出し私を呼ぶのだ。あわててアカちゃんを連れて引き返す日々。ポッポちゃんは気持ち良さそうに縁側で昼寝をしている。
モノちゃんは柿の木に登るのが楽しいみたいで、野生の猫みたいに遊びほうけている。

しかし、楽しい事ばかりではなにのだ。
何時も、誰かに監視されている感じは抜けない。
いつ出かけた。いつ、何時ごろ帰ってきた。花を植えた。ダイコンをうえている。草が生えている。村の人に会うと必ず声をかけられるのだ。
「どかこからきんしゃった?」
「昨日、夜中に帰ってきんしゃったが、どこに行って・・・」
などなど、ほっておいてんか〜って言いたいがニコニコして答える。
いきなり人が庭に入って来てうろうろする事もある。
それが嫌なので犬が出歩くと困るからっていいながら柵を作ったりした。が効き目はない。ぐる〜っと回って柵の切れ間から入ってくるのです。玄関から入らないのだ。
珍しい動物が生活しているのを見に来る人は後を絶たないのです。
さすがに少し参ってしまいました。
悪気がない分、なおさら始末が悪いのです。
「やっぱり・・友達の方が賭けにかったわ〜」
弱気になるが、おまえの嬉しそうな顔を見ると勇気が出てくるのだ。
「よ〜し、今度は自分からしゃべってやろう、誰でもいいから捕まえて
どうしてここに来たかを」
さっそくその手を実行しました。
「おばちゃん、そうなんよ〜実はね田舎暮らしに憧れて、ここがあまりにも良いところなんで(ここが・・に力を入れて)」
5人ぐらいの人に話すと、村中に話しが行きわたるのです。
知らない人から「大阪からきんしゃったんか〜」「ここが気に入ったんじゃて〜」と皆さんだいたいの事は分かったようで、少しはストレスが溶かれるようなきがする。

そんな調子の日々が続きました。
それ以外は平和で色んな「初めて」があり毎日が発見です。

なんとか馴れて、楽しめるようになってきました。
畑には白菜や大根、ほうれんそうなどを植えたり・・・そんな時、少し気になる事が・・
ポッポちゃんの様子がちょっと?
まさか?
チッチちゃんは去勢済み、モノちゃんも避妊手術を済ませている。
ただポッポちゃんには手術はしてなかったのだ。
モノちゃんは早くに発情が来て、しかし、ポツポちゃんにはその兆しが一度もなかったので、無理にしなくてもって・・・安心していたのです。自然の中で生き活きしたのか?
でも、それらしいお相手は見ていない。
でも、ふっくらしすぎなのだ。
まさか?
ポッポちゃんに限って・・はないのだ。
さあ〜どうしよう?


  つづく

解放されて.jpg

解放されて1.jpg

解放されて2.jpg

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2009年09月13日

チッチの赤い首輪(絵本)その8

たんぼだ〜!.jpg

私は長年、難病の潰瘍性大腸炎という病気を大切に持っているのだ。
そのために、病院に通っている。それ以外に漢方の薬を貰うために大阪駅のとなり駅ま通っている。
問診を毎回受け、その時の状態に合して薬を調合してくれるのだ。
なんとも、どぶ臭い薬を煎じて飲むのです。
「気分転換とか、ストレスを避けるように・・たとえば、なにかしたいとか、夢とかがあればいいですよね〜」
先生は「今したい事ってありますか〜」などと毎回聞くのです。
そのたびに「う〜ん、今はべつに・・・満足してますが・・」などと、また毎回答える。
しかしその日は違った。
「そうですね〜出来たら田舎、そう、本当の田舎に住んで、隣がず〜っと離れていて、犬や猫が楽しそうにしていて・・・そんなんが夢です」
「あなたならきっと、それをやれるでしょうね」

そうだ、私なら出来る。
その先生の一言が頭の中で渦のように回っていた。
さあ〜それからは、田舎暮らしについて猛勉強が始まる。
「田舎暮らしが成功する方法」「あなたにあった田舎暮らし」「さあはじめよう田舎暮らし」などなど、あらゆる本を読破する。
そして大阪駅にある県事務所に出向き、資料、パンフレットを集める。

まず、日照時間、気温、地震、台風、それらを考え的をしぼった。
そのころは、それぞれの県でIターン、Uターンを歓迎いていて電話をかけて確認しても、親切に対応してくれた。
一番最初に現地を見に行ったのは鳥取の日南町でした。すごく自然がいっぱいで美しい所だったのですが残念な事に冬は雪が積もり春まで溶けないと聞きびびってしまう。
岡山、広島・・その中でぜひ、見に来て下さいってところが有ったんで出かける事にした。
広島といっても市内ではなくちょうど広島県の真ん中ぐらいになる。
地図を頼りに山陽道を西に走る。
そこは山の中にある台地で広々とした田園がさわやかな風と一緒に私を迎えてくれた。
「わぁ〜長生きできそう〜」
稲は緑いろの葉を尖らせ風を受け大きな波を作っていた。
なにもかも緑、空は青、雲は白。そんな風景の中に心地よい風。

決めた。
ここに決めよう。

しかし・・・家族はほんの気まぐれと思っている。
それに、母親、兄弟、友達にどう説明しようか!たぶん、理解いてもらえないだろう。
決心はしたものの、前に進まない説得。そんな時、アカちゃんの様子が少し変なのだ。元気が無い、いつも帰ると、一番に競って出迎えるのに
出迎えはするが、直ぐにもどってソファーの上に乗ってしまう。
後ろ足をあげる事が多い。
どうしたのか・・・病院でみてもらうが、足にはないもなさそうだし、エコーでお腹をみてもらうが、これが原因と思われる事のないのです。
「様子をみましょう」
先生に言われたが・・・どうも変だ。
次の日、私はバタバタとする事があり、出かけて帰ってきた時にアカちゃんの出迎えが無いのです。
あわててアカちゃんの処にとんで行くとソファーの隅で丸くなっている。
あきらかに熱が有るのです。
病院の診察時間は終わっているが、何度も電話をかけ続けると先生が出てくれた。
とにかく診てもらえそうなのでアカちゃんを連れて行くことにした。
診察の結果、即、手術しなくてはならない事になる。
「子宮蓄膿症、命とりになることも・・」
ガ〜ン!・・・・
だから、変だって言ったじゃないですか〜言葉にはせず飲み込む。
「今から手術をやってみます。お家で待機して下さい、万が一って事もあるので、どちらにしても電話しますので」

万が一ってなによ!あったらあかんやろ!って言いたいのも飲みこむ。
「よろしくお願いします」
出た言葉はこれだけ。

おまえを抱っこしながら祈る。
「神様、どうか、アカちゃんを助けてください」


  つづく
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2009年09月11日

チッチの赤い首輪(絵本) その7

親子.jpg

モグラを連れて帰った時、おまえたちは異様に興奮していた。
あまりにも小さいので、直接会わすことは出来なかった。
箱の中に入れ、おまえたちが入れないようにした。
さて、これから、子育てが始まるのである。
ミルクを頻繁にあげいといけないので、どこに行くのにも篭に入れて連れてゆかねばならないのだ。
(この時期は体を壊して会社をやめていた)
喫茶店でモーニングをとる日課、ささやかな楽しみなのです。
美味しいコーヒを飲みながら、マスターと話をして・・・
そこにもこの子を連れていかねばなりません。
「ごめん、マスター、ミルクの時間やねん、ここにお湯入れてくれる」
もう、哺乳瓶からミルクを取ることが出来、少しは楽になってきていた。そして、この子は上手に瓶に手をそえて飲めるのだ。

夜、3時間おきにミルクを与える。
寝不足が続く・・
そんな私の苦労も知らず、元気にすくすくと育ち、もぐらから猫に変身しつつある。
白黒のタキシード柄のこの子の名前をモノトーンのモノちゃんとする。(いつも安易な名前の付け方なのだ)女の子なのでもう少し可愛いい名前を付けても良さそうなものだ。

どうしても、モノちゃんを連れていく事が出来ない用事が出来、不安ながらモノちゃんを家に置いて出かける。
おまえたちに襲われないように別部屋に隔離して私は出掛けました。

心配しながら帰ってくると、なんと!
ポッポちゃんとおまえはモノちゃんの箱の中に入っているではないか。
モノちゃんは・・・どこ?
狭い箱の中でモノちゃんはポッポちゃんに抱っこされていたのです。
おまえもまるでお父さんみたいに、その狭い箱の中にむりやり入り込んで寝ている。

その日から、ポッポちゃんはモノちゃんのお母さんになり、おまえはお父さんになった。
モノちゃんの姿が見えないとポッポちゃんは「ウオ〜ン、ウオ〜ン」と大きな声を出して呼ぶのだ。
完璧、母猫になってる。
アカちゃんも、その小さなモノちゃんが欲しくって、ポッポちゃんが居ない間にモノちゃんの背中をかみかみしてマッサージしてあげるのだ。
モノちゃんはお父さんと二人のお母さん(ポッポちゃんとアカちゃん)
に大切い育てられるのです。
この天真爛漫のモノちゃんに、このず〜と後に苦難がやってくるのですが・・・

猫3匹、犬1匹の平和な生活は続きます。
そんな中、私はふとした事から田舎暮らしに憧れ始めるのです。


  つづく

モノたん1.jpg


モグラから猫になりました。

モノたん2.jpg

もう、立派な猫です。女の子らしく可愛くなってきました。

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2009年09月10日

チッチの赤い首輪(絵本)その6

モノたん.jpg

大勢の人が覗きながら「まあ〜可愛そうに・・」
「誰か、もろたってや」「ひどいことするなぁ〜」と口ぐちに騒いではいるのですが誰一人として・・と思った時です。
並びにある携帯ショップの可愛い女の人が「私、一匹連れて帰ります」
その声にどよめきがおこる。
「私かて、連れてかえるわ」
なんと、また声があがりました。
「この子ら、小さすぎるがら哺乳びんでミルクやらなあかんと思うよ」
別の人が教えています。
「あの〜私、哺乳瓶とミルクを買ってきますから」
私はあわてて走りだしました。
チッチの時にミルクを買った店が近くにあるのです。
「おっちゃん、猫のミルク!それと哺乳瓶、ああlその瓶にお湯を入れてミルクを溶かしてや」
私は哺乳瓶いっぱいのミルクを持って子猫のいる場所に帰りました。
私がもって帰ったミルクは子猫たちに別のおばさんがミルクをあげてくれる。
残った子猫は三匹となる。
よく見ると、なんと、一匹だけモグラのような・・子がうごめうている。
それ以外はすごく可愛いのだ。
キジ白猫で、ふさふさの毛をしている。
なんだ?この小さいぶさいくなのは・・・
そんな事を考えている間に残された2匹も里親がみつかってもらわれていった。
「この子・・・たぶん貰い手はないやろなぁ〜」
目にはまだ幕のようなのが覆っている・・・
ちいさな声で「だれか・・この子・・だめやわ」
えいっ、私が連れてかえる!
そのモグラをポケットにいれました。
でも、大阪のおばちゃんパワーはすごい!
駅前を通る人を捕まえては「どうや〜可愛い子がおるやで〜」まるで盛り場のぽ○引きみたいに声をかけて、みんな貰われていきました。
のこったモグラも私がありがたく頂きました

バイクでモグラをポケットに入れ病院に直行。
なんと100gしかありません。哺乳瓶ではまだ吸う力もないらしく、先生はスポイドの先を切って与えてくださいました。

このモグラを家に連れてかえらなくてはならないのです。
今までにない不安が。
おまえはこの子をネズミと間違えるって事はないだろーか?
ポッポちゃんなら、食べてしまうかも知れない。
それより、どうする?何回ミルクをスポイドで飲ますんだろ・・・
夜中も・・・誰が・・・私かい?。
モグラは猫にいつ変身してくれるのだろう。

 つづく


モノ1.jpg


モノ2.jpg

保護したモグラ?
posted by ムクムク at 23:21| Comment(6) | TrackBack(0) | チッチの赤い首輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月09日

チッチの赤い首輪(絵本)その5

ぽっぽとチッチ.jpg

ダンボールの箱に入った子猫はバイクの前の足元で鳴き声も立てず。静かにしている。
わがやに帰りついた私は不安なまま、ダンボールの箱を居間の真ん中に置く。
おまえとアカちゃんは、なにかお土産〜?って思ったのか嬉しそうに箱を開けられるのを待っている。
「アカちゃ〜ん、チッチちゃ〜んお土産よ〜いいこだから・・なかよくしてや〜」
必要以上に猫撫で声をだしご機嫌をうかがうイジラシイ私なのです。
思い切って箱お開けると「ププップー」「シャーププップ」
子猫はすごい形相で威嚇していた。
おまえはそんな子猫に怖がることもなく、不思議そうい見ている。
アカちゃんは嬉しそうに尾っぽを振っているのだ。
「ほんま、あんたらはええこやな〜」

この子猫の名前はポッポと決まりました。
ポッポちゃんは病院で治療してもらい、シャンプーもされ、見事な美猫に変身しました。
男の子である、おまえと、女の子のアカちゃん、そして妖精のようにかわいい女の子の生活が始まったのです。
おまえは、ポッポちゃんの事が可愛くってたまんないようで、子守役をかって出てくれたのだ。
アカちゃんも可愛くって遊びたいようだが、ポッポちゃんは、ライバルのアカちゃんの事は好きになれにようだ。
それでも、 このさんにんはケンカする事もなく穏やかに仲良く過ごしてくれたのです。
幸せな時間がいっぱいの毎日が。

ポッポちゃんが家に来てから一年以上たったある日の事です。
銀行に出かけ、かえる途中、駅の前でなにやら人ひとが集まぅているのだ。
「可愛いやろ、この前で捨てられてんや、だれか、もろたって」
「わぁぁ〜可愛いわ〜小さいなぁ」
「こんな小さい子、かなわんで〜」
怪しげな会話。
聞かない事にしよう・・でも身体はその会話の中へと吸い込まれて行く。足が勝手にそこまで動いてしまうのだ。
のぞいて見ると、なんと5匹の赤ちゃん猫が箱の中で蠢いているのだ。
まだ生まれて一か月も立たない様な赤ちゃんが・・・・


  つづく

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妖精1.jpg

妖精2.jpg

妖精3.jpg

妖精だったころのポッポちゃん
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2009年09月08日

チッチの赤い首輪 (絵本)その4

ぽっぽ.jpg


その子猫は古本屋を出た店の横で鳴いていた。
「ミヤァ〜」
はかなげな声に足止めされる。
見ない事にしよう・・このまま、知らなった事にしよう・・
私はバイクを出しまたがる。
エンジンをかけ、発進する。子猫の鳴き声がエンジンの音に消されたと思った。それはほんの少しの間だけで、声は私を追いかけてくる。
「ミャァ〜」
はなれても、どんどん大きな声になって・・・
近くにあったミニスーパーに入ってパンを買う。また、バイクにまたがって発進する。

古本屋の店先にはまだ子猫がいた。
店の人に分からないようにパンをちぎってげると、子猫は「ウニャウナヤ〜」と鳴きながらパンをほうばった。
「誰か〜ここに子猫が居るんやけど、飼ってあげてくださいよ〜」
だ〜れも振り返りはしない。
「あのね、うちには、犬も猫も居てるんやわ、ごめんね、お腹が大きくなったらどこか探しや」
良く見ると、グレーに見えた子猫は白猫です。汚れていたのでグレー猫に見えたのだ。それに、耳は怪我をしたのかキズだらけで、身体は細く力なく見える。
このままこの子お此処に置いておくことは出来ない。
家の近くなら、また様子を見にくる事も出来るのだが・・
私は古本屋の前で立ち往生していた。
どうしよう・・・おまえはこの子を連れて帰ったらどうするだろう。
アカちゃんは・・怒るかな〜


  つづく
ラベル: 絵本 イラスト
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2009年09月07日

チッチの赤い首輪 (絵本)その3

雨.jpg

おまえは、まだ帰ってこない。
外は、ポツポツと雨が降りだしている。
私は玄関のドアを少し開けて外に出る・・どこをどう探したらよいかも分からず猫が行きそうな駐車場などを探す。車の下を覗いたり、草の茂みに向かって名前を呼ぶ。
「どうしたん?」
不審者にみえたのか、頭のおかしな人に見えたのか声をかけられる。
「いえ〜猫を探してるんです、家から出て帰ってけえへんのです」
「あんた、猫やろ、そんなん帰ってくるって」
「ああの〜いままで家から出たことない子やねん、それに雨も・・」
「猫やろ〜帰ってけえへんかったらアホやで」
あほらし、って顔してその人は離れていてしまいました。
「そらそうや、猫やわ、帰ってくるわ、そうやわ〜チッチは、あほちゃうし」
そうは思うものの不安はもう限界まできています。
諦めて家に帰り、ドアは開けたまま待ち続けました。

びっくり.jpg


玄関からバタバタ、ドドって音がしたと思ったら、その音は二階に登っていった。
私も負けないぐらいおおきな音を立て、二階に上がる。
二階のタンスの上におまえは居た。
まんまるな目を思いっきり丸くして、シッポはビンビンにふくらんでいる。
アカちゃんが喜んでクンクン鳴いている。
す〜っと身体の力が抜けていくのがわかる。
おまえは目をキラキラ光らせ興奮している。
きっと、好奇心がいっぱいの散歩だったのだろう。
そしてちょっぴりの不安と。

そんなおまえの姿を見ながら
いつか、思いっきりお外を走りまわれるようにしてあげたいと思う。

しばらく、おまえとアカちゃんには平和日々がつづくのだ。

しかし、そんなある日、私を悩ます出会いが待っていたのです。


  つづく
ラベル:絵本 イラスト
posted by ムクムク at 22:29| Comment(6) | TrackBack(0) | チッチの赤い首輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

チッチの赤い首輪 (絵本) 2

アカちゃん.jpg


おまえは今日からチッチと呼ぼう。
小さなおまえは、ウンチをするときも私を呼ぶ。
しかたがないからお付き合いをするのです。
一生懸命がんばっているところを見てほしいのか、必ずお付き合いさせられる。
その上、食事は私の手の平からチマチマとカリカリを食べる。
仕事を持っている私は、朝は忙しいのです。がチッチのお世話係としてそれだけはやらないといけないのだ。
「はよ食べや〜チッチちゃん」
毎朝この調子で・・・

そんなおまえはすくすくと育つ、我が家の王様のように。
しばらくして、約束をしていた柴犬の赤ちゃんがやってきた。
産まれた月日はおまえとほぼ同じぐらいだと思う。
コロコロのその犬はまだ耳が立っていなくてつぶらな瞳の怖がりさんでした。

アカと名づけられ、チッチと一緒に生活をする事になる。
はたして、仲良く出来るか心配はしましたが、なんとおまえはこの犬を怖がることもなく来た時から仲良く出来たのだ。
アカちゃんは猫と生活したせいか、散歩がきらいな変な犬になりつつある。
このふたりはなにをするのも一緒で、部屋の中でいつも運動会をやっているのだ。

そんなある日
おまえが居ないのだ。
どこを探しても・・玄関横の窓が少し開いていたのです。
朝、仕事に行くためにバタバタしていて気がつかなかったのです。
もう、パニック!
あわてて外に探しに出かけるが・・見つけることが出来ない。
仕事には行かなくては・・しかし、おまえを探さないと。
「もしもし、すみませんが、ちょっと身体の調子が悪いんです・・少し遅れると思いますが・・ええ、必ずいきますよ、ちょっとしたら気分がよくなると思いますので」
もう会社は始まってしまっています。
取りあえず、電話だけでもしとかないと。
嘘じゃなく、本当に気分が悪くなってきた。
おまえはいったい何処に行ってしまったのだ。


    つづく


チッチ1.jpg

チッチ2.jpg

チッチ3.jpg

アカちゃんとチッチ いつも一緒にねんね
ラベル: 絵本 イラスト
posted by ムクムク at 00:49| Comment(4) | TrackBack(0) | チッチの赤い首輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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