2009年07月10日

空飛ぶ青い猫 四話 (田園編) 1 2

ゆうやけ2.jpg

キッキちゃんは夕焼けの空を空飛ぶ風船の木でとんでいます。
木々がかぶさるよに並んでいる公園が見えます。
街の中でそこだけがオアシスのように思える公園です。
キッキちゃんは降りてみました。

不安気な顔をした猫たちがそこにはいました。
小さい子猫もいるようです。
「あの〜どうかされましたか?」
少し歳老いた猫が悲しそうな顔で答えました。
「あのさ、この公園は明日には壊されるのさ」
「この公園ですか〜?どうして・・・そんな」
「ここに高速道路が通るらしいよ」
「じゃ〜どうなるのですか、みんなの寝るところが無くなってしまいますよ」
「そんな事を誰が心配してくれる?えっ、ボランティアのお兄さんやお姉さんぐらいさ」
また別の猫もいいました。
「今までは、そのお姉さんのお陰でなんとか生き延びれた・・子猫もなんにんかは里親が見つかり助けてもらった。まだ、ましな方さ」

家の無い猫はこの公園を住みかとして生活しているのです。
でも、壊されるとこの猫たちが生活する場所がなくなってしまいます。
今、ボランティアのお姉さんが一生懸命里親を探しているのですが・・思うようにいってないようなんです。
誰が悪いって分けじゃないのだけれど、いつも、決まって不幸になるのは弱い者なんです。

キッキちゃんは自分の力なさが悲しくなりました。

いきなり猫たちはいっせいに大きな樹の陰に走りだしました。
そうなんです。ボランティアのお姉さんが食べるものを運んで来てくれたのです。


子猫ちゃん.jpg


みんなが行ってしまった後に小さな子猫がふたり手を繋いでポツンと取り残されました。
キッキちゃんは子猫に話しかけようとした時に、お姉さんが子猫の元にやってきて食べ物を差し出しました。
「ごめんね、遅くなっちゃったわね。お譲ちゃんとボクちゃん、お食べね」
お姉さんはそう言いながら、ボクちゃんとよばれた子猫の頭をなぜながら「ボクちゃん、お別れね・・ごめんね、お家を見つけてあげる事が出来なくって・・でもね、お譲ちゃんのお家は見つけられたの」
お姉さんはボクちゃんを膝の上に乗せてまた話しかけました。
「みんなを助けたいの・・でもね、そうはいかないの、分かってくれるよね、ひとりだけでも助けたいの。ボクちゃんじゃなくてごめんね」
お姉さんの涙がボクちゃんの頭にポツンを落ちました。
子猫のボクちゃんはお姉さんに言いました。
「うん、わかってましゅ、だからお譲たんを幸せにしてくだしゃい、ボクはちゅよいから大丈夫なのでちゅよ」
ボクちゃんがそう言ってミャ〜ミャ〜って鳴いたのですがお姉さんに伝わったかどうかは分かりません。
「あんね、わたち、ボクちゃんと一緒がいいでちゅよ」
「だめでちゅ、お姉ちゃんと一緒にいくのでしゅね」
ボクちゃんはそう言いながら走って行ってしまいました。
ボランティアのお姉さんも辛いのです。
このふたり一緒にって思っていたのですが・・せめてひとりだけでも幸せになってほしかったのです。
キッキちゃんにもお姉さんの気持ちが良く分かります。
そして、きっとボクちゃんにも分かったのでしょうね。
キッキちゃんはボクちゃんの事が気になって追いかけました。


  つづく
ラベル: 絵本 イラスト
posted by ムクムク at 15:04| Comment(5) | TrackBack(0) | 空飛ぶ青い猫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする