
キッキちゃんとちびたちゃんは虹の橋を渡りきっていました。
そこは、大草原のようで沢山の花が咲き、細い長い道がず〜と続いています。
ふたりはその細い長い道を歩きだしました。
薄紫の空から柔らかい風がふたりを祝福してくれているように吹いています。
見たことのない花がゆれています。
「きっと、この道を進むといいのだと思うよ」
「うん、もうすぐシャー坊がくるんですか〜」
「ええ、もうすぐだと思うわ」
「いそぐなの」
キッキちゃんもはじめての経験なので、何処にシャー坊がいるかは分からないんです。
どんどん歩き続けると小さな扉にぶつかりました。
「ここを開けてみる?」
「うん、開けてみるなのよ」
ふたりは手を添え会ってそ〜っと扉を開けてもました。
しかし景色は少しも変わらなく、同じような花が咲いているだけです。
「シャー坊〜!」
おおきな声でよんでみる事にしました。
キッキちゃんは時間が気になります。早くシャー坊を探さなくてはなりません。
限られた時間に帰らないとふたりは現実の世界にもどれなくなってしまうからです。

遠くで誰かが呼んでいます。
風がその声をはこんできました。
「誰かが呼んでる?」
「よんでいるよ〜シャー坊なのかな?」
「シャー坊〜ちびたねーちゃんだよ〜!」ちびたちゃんは有らん限りの声をあげて叫びました。
「ちびたねーちゃん〜」
聞こえます。小さな声が・・
シャー坊の声です。
「キッキちゃん、シャー坊なの!声が聞こえているなのよ」
「シャー坊に聞こえたのね、わぁ〜よかった〜」
黒い点のように見えていたものがどんどんこちらに近づいて来るではありませんか、ぴょんぴょんとウサギみたいに飛んでいるのです。
「ちびたねーちゃーん」
両手を広げてシャー坊はちびたちゃんめがけてとんできました。